保育や介護事業を行う「ポピンズホールディングス」が12月21日、日本初の「SDGs(持続可能な開発目標)上場」をしたというニュースを見て、少なからず違和感を感じました。なぜなのか、これまでのCSR~サステナビリティの流れも入れながら、考えてみました。

上場初日を記念して5回叩かれる「上場の鐘」

同社の上場を受けてのニュースの一部をまずご紹介しましょう。

■日本初「SDGs上場」 女性活躍目指し女性会長が決意
環境対策や社会貢献のために資金を使う、日本初のSDGs(持続可能な開発目標)上場です。保育や介護事業を行う「ポピンズホールディングス」は、日本で初めて、SDGsを達成するために資金調達するとして東証1部に上場しました。(テレビ朝日)

■ポピンズHDが上場 国内初のSDGs目的
ベビーシッターの派遣や保育所の運営などを手掛けるポピンズホールディングスは21日、東証1部に上場した。国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)に沿った事業を資金使途とする「SDGs-IPO」の国内初の事例となった。(日本経済新聞)

SDGs(持続可能な開発目標)はご存じの通り、2015年9月に国連が採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標です。各国政府、自治体、企業、非営利組織に目標達成を求め、これらの組織はSDGsという言葉を自由に使ってよいことになっています(ロゴの商用使用は国連本部の許可が必要)。

ところが、「SDGs上場/SDGs-IPO」という言葉を筆者は聞いたことがありません。確かに最近では、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資やソーシャルボンドなど、サステナビリティと投融資を結び付ける動きが世界的に広がっています。

しかし、そこには行政やNGO/NPOを含めた数多くのステークホルダーによる時間を掛けた議論と合意、そしてルールが形成されてきました。