プリウス A「ツーリングセレクション」(2WD)

EVは走行中の排出ガスこそゼロとなるが、モーターを駆動させる電気を作る電源は、7割以上を火力発電に頼っている。またライフサイクル全体の排出量を見ると、EVはバッテリーもふくめた製造過程でエンジン車よりも多くの電力が必要とされる。

ちなみにFCVも水素は化石燃料からの生成が中心で、生成過程で必要な電力は火力発電に頼っている。電源を火力に依存したまま車両だけ電動化しても、カーボンニュートラルへの効果は限定的となってしまう。

ちなみに、電動化のカギを握るバッテリーにはリチウム・ニッケルなど多くの鉱物資源が使われ、コバルトなど希少な金属も含まれている。原料の調達や価格面などで不安定要素が多く、グローバルでの需要増に伴い争奪戦も懸念され、原料価格の高騰は、バッテリーを通じてEVのみならず全ての電動車の価格に反映される。

希少金属の使用を減らすバッテリーの開発も進むが量産には時間がかかりそうで、また利用後に資源を取り出すリサイクルの体制整備も急務となっている。

用途に合わせた車両の推進で最適解を

次世代モビリティは移動距離の長さや駆動源、充電インフラの特色に合わせ棲み分けるイメージが形成されつつあった。充電の心配の不要な近距離の移動や小型のパーソナルモビリティなどにEV、中型乗用車などの移動距離のばらつく移動にはエンジンとモーターを組み合わせるHVやPHV、トラックやバスなどの大型車両やパワーの必要な移動には水素で発電するFCV、と言った具合だ。

「悪者」になりかかっているガソリン車でも、高効率化や軽量化、ダウンサイジングターボなど技術が進んでいる。

カーボンニュートラルは原料調達から車両製造時、走行中、リサイクルまでのライフサイクル全体で排出を下げることが重要だ。電動化はもちろん重要だが、実現には日本のエネルギー政策と用途に合わせた最適な推進が求められると言えるだろう。

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