『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』

コロナ禍においては、どの国々もほぼ同様の対策をとったが、国を率いるリーダーによって、市民に強い連帯意識が生まれた国もあれば、社会の分断や対立が起こった国もある。

劇場型政治で世界中を翻弄したトランプ米大統領(当時)。アンチサイエンスな発言で専門家や市民を振り回し、世論の分断、社会の対立を引き起こした。パンデミック下のアメリカの混沌が、臨場感あふれる筆致で綴られている。

ニュージーランドのアーダーン首相は幼い子どもの母親でもある。子どもを寝かしつけた後、普段着姿でSNSを使って市民と繋がり、コミュニケーション力を発揮した。「親切を心がけましょう」と連帯の必要性を語り、見事な成果を出した。 アフターコロナの世の中もリーダーによって異なる社会が形成されていくのかもしれない。果たして日本のリーダーはどのような社会に市民を導くのだろう。

◆有馬めぐむ(ありま・めぐむ)
ギリシャ・アテネ在住ジャーナリスト
日本の出版社で記者職を経験。国際会議コーディネートの仕事でギリシャに滞在後、2007年よりアテネ在住。主にギリシャの財政危機問題、難民問題、動物保護、観光政策などの情報を発信している。共著に『動物保護入門~ドイツとギリシャに学ぶ共生の未来』(世界思想社、2018 年)、『「お手本の国」のウソ』(新潮新書、2011年)など。 

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