環境・倫理・デジタル化、ポストコロナの企業経営

まずDr. Jung Wan Lee(Professor, School of International Economics and Trade, Anhui University of Finance and Economics, China/former Professor at Boston University)から報告が行われました。

パンデミックにより迅速な対応・回復と経営のサステナビリティの再考を迫られた結果、企業社会では環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組み強化の動きが見られるといいます。経済へのダメージが深刻になる中、政府にはESGに配慮しながら迅速な回復を促す経済刺激策が求められました。

社会では温室効果ガスの削減を意図した電気自動車(EV)志向が強まり、企業はグローバルサプライチェーンにおける供給不足や操業休止の経験を経てサプライヤー・ポートフォリオの見直しを行うようになりました。

個人レベルでは柔軟な働き方やeコマース、フードデリバリーサービス利用への志向が強まり、今後はより高品質な食生活にフードデリバリーが寄与していくことも期待されるといいます。

韓国では新型コロナウイルスによるダメージ回復のため、1,000億USドルの予算をもって2020年7月、「グリーンニューディール」政策をスタートさせました。本政策では雇用創出、デジタル技術開発のほか、エネルギーや運輸、不動産産業などのグリーン化を目指しています。

中国では、政府がグリーン金融への関心を喚起するべく政策づくりを強化しています。投資家の72%がサステナブル経済への投資に前向きであるという調査結果もあるといいます。

ポストコロナ時代の企業社会には、株主のみならず全てのステイクホルダーにとっての価値を生み出せるよう企業の目的を再定義すること、ステイクホルダーとの協働関係を構築すること、必要不可欠となったESGを考慮して経営を行うこと、透明性を高め説明責任を果たしていくことが求められる、との指摘がなされました。

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齊藤 紀子(企業と社会フォーラム事務局)

原子力分野の国際基準等策定機関、外資系教育機関などを経て、ソーシャル・ビジネスやCSR 活動の支援・普及啓発業務に従事したのち、現職。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、千葉商科大学人間社会学部准教授。

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キーワード: #サステナビリティ

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