味が良いのに骨が多い、数がそろわない、傷みやすいといった理由で漁獲しても流通に乗せにくい魚は捨てられる場合も多い。フレンチビュッフェの「シンシアブルー」(東京・渋谷)は、そうした未利用魚も積極的に活用している。

同店は、ミシュラン一つ星レストラン「シンシア」のオーナーシェフで、持続可能な魚食を目指す料理人の集団「シェフス・フォー・ザ・ブルー」の理事でもある石井真介氏の新事業である。

サステナブルに特化した店を創るためクラウドファンディングを立ち上げ、目標額の4倍近い約1900万円の支援を得て、2020年9月に開店した。現在日本で入手可能なMSC・ASC認証品の多くは輸入冷凍品であり、高級店では扱いづらい。そこでカジュアルな店を創り、新規メニューに導入した。
未利用魚の知られざる魅力もシェフの腕で引き出し、「100年後の海を守る」魚食を提案している。