プラスチックごみに囲まれたカワセミたち

【連載】私たちに身近な生物多様性

現在、カワセミは東京23区全域で観察され、都内の河川の水質改善の象徴ともなっている。古くから「渓流の宝石」というイメージで語られ、輝く青い姿からその名前には「翡翠」という字もあてられている。

従来、カワセミが生息するということは清らかな水と豊かな自然の証のようにとらえられてきた。

しかし、東京において彼らの多くは「渓流の宝石」とは程遠い環境の中にいる。以下の写真はいずれも石神井川で撮影したものだ。プラスティックのゴミと背中合わせに、危うくもたくましく生きる彼らの姿を通じて、プラスティック廃棄物の身近な現状が見えてくる。

下の2羽のカワセミの写真は、岸辺の遊歩道から撮ったものだ。住宅街で散歩の途上に複数のカワセミを観察できるのは石神井川ならではだが、止まり木となっている枝には千切れた廃プラがからみついている。

ポリエチレンの袋のようなものに覆われた止まり木から採餌するカワセミの姿も見られる
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坂本 優(生きものコラムニスト/環境NGO代表)

1953年生。東京大学卒業後、味の素株式会社入社。法務・総務業務を中心に担当。カルピス株式会社(現アサヒ飲料株式会社)出向、転籍を経て、同社のアサヒグループ入り以降、同グループ各社で、法務・コンプライアンス業務等を担当。2018年12月65歳をもって退職。大学時代「動物の科学研究会」に参加。味の素在籍時、現「味の素バードサンクチュアリ」を開設する等、生きものを通した環境問題にも通じる。(2011年以降、バルディーズ研究会議長。趣味ラグビー シニアラグビーチーム「不惑倶楽部」の黄色パンツ (数え歳70代チーム)にて現役続行中)

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