「グリーン・クリスマス」、全国に広がる

グリーン電力を使ったクリスマス・イルミネーションが増えている。経済産業省の「グリーン・クリスマス・ライトアップ」キャンペーンは3年目の今年、初めて参加数が100件を超えた。

グリーン電力とは、太陽光や風力など自然エネルギーで発電した電力のこと。東京電力や関西電力など地域の電力会社に支払う電気代とは別に、使用電力量に応じたグリーン電力証書を購入すれば、その代金の一部がグリーン電力の発電事業者に間接的に支払われる。消費者側の負担は増えるが、自然エネルギーの拡大に貢献する仕組みとして広がっている。

このキャンペーンは、クリスマス・イルミネーションの消費電力量の10%以上をグリーン電力で賄えば、「グリーン・クリスマス」を名乗ることができるという趣旨だ。毎年6月―10月に参加施設やイベントを全国から募っている。

初年度である2008年の参加数は44件。翌年度は86件と倍増した。今年は募集時の目標を超える106件となった。今年のグリーン電力証書の総購入量は85万キロワット時だった。実は、購入量は92万キロワット時に達した昨年より減っている。これは、消費電力量の少ないLED電球の導入や規模縮小など省エネの工夫が進んだためと思われる。

例えば、シャンパンゴールドのLED電球を使ったライトアップで知られる「丸の内イルミネーション2010」(東京都千代田区)は、3年連続で参加している。今年はグリーン電力証書約2万6千キロワット時分を購入した。また、85万球のうち20万球を従来のLED電球よりさらに65%も消費電力量の少ないLED電球に替えた。

光の色に関しては、「グリーン・クリスマス・ライトアップ」とはいえ緑に限る必要はない。今年、緑色のライトでグリーン電力をアピールしているのは106件のうち30件だ。

グリーン電力証書を使う場合、「環境付加価値」の代金として、電気料金とは別に証書代を支払う必要がある。昨今の不景気などを理由に、イルミネーション自体の規模縮小や期間短縮をしているところもあるという。そんな中、「グリーン・クリスマス・ライトアップ」キャンペーンの参加数が着実に増えていることは注目に値する。

運営主体であるグリーン・エネルギー・パートナーシップ事務局の玉利孝徳氏は「このキャンペーンに参加していなくても、グリーン電力を既に使っているところもあるはず。ライトアップをするならグリーン電力で、という意識が全国的に高まると良いと思う」とグリーン・ライトアップがさらに広がることを期待している。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)2010年12月7日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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