包括的視点が、チャンスを生み出す

また、同コミュニケのパラ8では、「自然を活用した解決策」が、気候変動の適応、大気・水の質と利用可能性の改善、暴風雨や洪水防止、災害リスク軽減、土地劣化緩和・防止、脆弱で貧しい人々が依存している生態系サービス保護による持続可能な生活の提供等、複合的利益をもたらし、それによって様々なSDGsの達成に貢献することが確認されている。

その背景には、気候変動による大気・水循環や自然生態系の変化が、世界の脆弱層の水・食料アクセス悪化・貧困化、暴風雨・洪水等の災害被害リスクを高めること等がある。自然を活用した解決策に限らず、気候変動適応策として、脆弱層の水・食料・エネルギー等のアクセス支援や災害に対するレジリエンス向上支援を進めることは、SDGsの様々なゴールの同時達成、マルチベネフィットの創出につながり、気候変動対策の観点からもSDGs達成の観点からも、ニーズが高まっていくことは間違いない。

今回、オルタナの協力を得て、本連載をスタートすることができた。気候変動対策とSDGs達成に貢献したいと考えている皆さんに少しでもお役に立てればと願い、次回から、SDGsのゴール・ターゲット毎に気候変動対策との関係性・国内外の取り組み事例などの最新動向と今後の取り組み可能性などについて紹介していく。


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足立 治郎(「環境・持続社会」研究センターJACSES・事務局長)

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)事務局長。 東京大学教養学部卒。 化学・素材関連企業勤務を経て、1997年よりJACSESスタッフ。CSRレビューフォーラムレビュアー・SDGs市民社会ネットワーク環境ユニット幹事・地球環境戦略研究機関(IGES)フェロー・島根県立大学非常勤講師等を兼務。著書に『環境税』(築地書館、単著)、『カーボン・レジーム』(オルタナ、共著)、『ギガトン・ギャップ─気候変動と国際交渉』(オルタナ、共著)等。

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キーワード: #SDGs

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