「生活環境革命で人々を幸せに」

中特グループのパーパス(存在意義)は、「生活環境革命で人々を幸せに」です。5年前の創立50周年を機に経営理念を刷新した際、二代目の私自身が掲げたものです。私たち中特グループに所属するすべての者は、あらゆる生活環境に関わる問題を、従来の切り口ではなく、固定観念を打破し、グループ各社の特徴を活かした総合力を駆使し、まさに革命を起こすほどの思いで解決し、その結果地域の皆さんを幸せにし、その笑顔を見て私たちも幸せになろう、と定めています。

「廃棄ではなく、いかに再生させるか」を全力で追求する

「人の嫌がる仕事」を始める

中特グループは、中特ホールディングスを核として、事業会社5社で構成されています。1955年に今は亡き父が、中学卒業と同時に汲み取り屋を行ったことから始まりました。

貧乏子だくさんの家の長男でしたので進学は許されず、また人がやりたがらない仕事でないと稼げないと父親から言われたことが理由で、大志を抱いていたわけでもなく、ただただ生きていくために人の嫌がる仕事を始めたのだと生前に聞かされました。

20歳でお見合い結婚し、翌年には母がゴミ回収会社を始め、その後はトイレの水洗化に伴い水道事業会社を買収し、下水道が普及するに伴い下水道のメンテナンス事業を開始しました。

そして高度経済成長と共に産業廃棄物の収集運搬、再資源化の開始へと、いずれも強い意志を持ってというよりは、それぞれの時代に対応するようにしてきた結果、気がつけば現在のように事業拡大していたと言った方が合っているようです。

大事故をきっかけにした「変革宣言」

ゴミ回収も下水管内の作業も、当時は人の嫌がる仕事、3K(キツイ・キタナイ・キケン)と呼ばれる仕事で、極力に人の邪魔にならないよう気を遣い、人目につかない場所で、裏方中の裏方に徹することが存在価値だったように思います。

当然ですが、志を持った人が希望して入社するというよりは、寄せ集められた親族や社会からはみ出してしまった人が多く、仕事に誇りなど持てるはずはありませんでした。

ある時、起こるべくして致命的な大事故を起こしてしまいました。決められたルールを守らなかったことが原因です。産業廃棄物の有害物質を近隣の川に流出させてしまい、2か月の業務停止の行政処分を受けました。幸い倒産という最悪の状態は免れましたが、一瞬にして信頼という一番大切なものを失ってしまいました。この一大事を機に現会長の母が、創業以来初めて大変革を行う決意し、「変革宣言」を行いました。

企業として頑丈な幹や根を作るために、まずは経営理念を掲げました。中特グループの存在意義を「快適環境創造企業」と位置づけ、「誇りの持てる会社となる」を目指すとしました。そして、実現のための手段の一つとして、当時中小企業にも注目され始めたISOのルールを活用することにしました。

勉強が嫌いだからこの会社に入ったんだと不満を漏らす社員も少なからずいる中、会長の強力なリーダーシップと社内外の皆さんの協力を得て、2002年グループ全業務対象としてISO14001認証を取得しました。この時の感動は忘れられません。諦めない、やればできることを皆で共有できた良い機会となりました。

それ以降、私たちはただ汚れ仕事を請け負っているのではない、地域社会に快適な環境を提供することが使命なのだという風土に変わっていき、徐々に自分の仕事に誇りを持った言動になっていったように思います。

その後は、創立50周年を機に冒頭で説明したようにさらに進化し、ISOも45001、9001を追加取得し現在に至っています。

「生活環境革命」という表現を用いてからは、既存の事業にとらわれない考えも定着しつつあります。人口減少化と共に生活ゴミは減少するが、各家庭に長年溜め込まれた、家人が亡くなった後に大量に発生する遺品への注目、また処理業者としては廃棄物ではなく資源であると捉えることが出来なければ、昨今求められている循環型社会に対応できず存在価値のない会社となってしまいます。

一昨年、NPOフードバンク山口のしゅうなんステーションとしての活動も始めました。これは食品ロスの問題と貧困問題の解決が目的ですが、廃棄されていた食品を再利用するということは、廃棄物処理会社からすれば売上減少となるわけです。しかし、時代の流れに逆らってはいずれにせよ存続できなくなります。今後の当社の役割は、排出者と共にどうすれば廃棄物を減らすことができるかを考えるパートナーでなければならないと思っています。

「2050年の当たり前」に向けて進化へ 

昨年5月には山口県初の「体験の機会の場」として、小学生が環境を学ぶ場の認定を県から受け、これまでに7回開催しました。これは食品リサイクルをダチョウの飼育を通して学ぶというもので、世界一大きな鳥に給餌することが大変好評だったようです。

また、現在では大学の博士との共同開発により卵からダチョウ抗体を原料としたのど飴の販売も行っています。同年7月には文科省の「子供たちの心身の健全な発達のための子供の自然体験活動推進事業」を受託し、コロナの影響等による閉塞感が解消されることを願って、海岸ゴミからのアート作品作りや、稚魚の放流を行いました。

これら社会貢献活動の運営も数が増えてまいりましたが、グループ合わせて110人の社員が日常業務と掛け持ちで行っておりますので、正直なところ活動も限界も感じているところです。今後は、持続可能な活動にしていくためにもビジネスとして取り組んでいかなければと思っています。

新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちに新たな時代を生きる後押しをしました。歴史から学ぶことも大切ですが、それ以上に未来から逆算して今日を生きることの重要性を実感しています。AIなどのテクノロジーの進化は、経験でしか学べなかった世界を大きく変えていきます。

現在、「2050年の当たり前」というテーマで、本来廃棄されるものを活用したアートコンテストを開催中です。これは今月竣工する本社屋のコンセプトCOIL(Chutoku Open Innovation Lab)の第一弾として企画したものです。SNSのみで発信したものでしたが、全国から123もの応募がありテーマの関心の高さが窺えました。

また、「Reの森」プロジェクトと称した植林活動も始まります。これらは次世代を担う若手社員が中心となって企画しているものです。

私たち中特グループは、今後より一層、固定観念にとらわれない物の見方で社会課題を解決し、地域に新たな価値を生み出す明るい存在になりたいと考えております。

会社概要:

株式会社中特ホールディングス 所在地:山口県/業種:廃棄物リサイクル業/設立年:昭和41年/従業員:120名(中特グループ)/ホームページ:http://www.chutoku-g.co.jp/