オルタナ16号(2009年11月発売)

オルタナNo.16 Nov 2009feature story 1

グリーン革命が始まった
「25%削減」は日本のチャンス

「2020年までに温室効果ガスを25%削減する」という鳩山由紀夫首相の国際公約によって、日本は持続可能社会の実現に向けて大きく舵を切ることになった。「日本版グリーン革命」とも形容できるこの動きは、うまく制度設計すれば企業や社会の競争力を高め、日本に明るい未来をもたらす。これから何が変わるのか。

feature story 2

2010年のクルマ2020年のクルマ
税・エネルギー・消費者が業界を変える

鳩山由紀夫首相の「CO225%削減」宣言は、日本の自動車業界にも大きなうねりをもたらす可能性が高い。その目標年である2020年のクルマ作りはどう変わるのか。来年(2010年)発売されるクルマも紹介しながら、日本のメーカー5社の技術担当に見通しと戦略を聞いた。

feature story 3
水素社会は「島」から始まる デンマーク ロラン島編
世界初 自然エネルギーの水素コミュニティー

デンマークの首都、コペンハーゲンから約150㌔㍍南に位置するロラン島。すべてのエネルギー源を自然エネルギーで賄うこの島では現在、風力発電からの余剰電力によって水を電気分解して水素を取り出し、蓄え、各家庭に送り、必要に応じて電気と熱を取り出す仕組みを構築するプロジェクトが進行している。順調にいけば、2012年に自然エネルギーである風力を基にした世界初の水素コミュニティーが誕生する。

alterna person
櫻田 厚 モスフードサービス代表取締役社長

企業の繁栄は社員の幸せから

日本のサービス業・外食業では昔から「お客さまは神様です」が相場だ。だが、モスフードサービスの櫻田厚社長は「社員が一番大事」と言い切る。それが結果的に顧客や地域社会を幸せにするという考えだ。この精神が、モスバーガーの環境・CSR活動にも貫かれている。

civilization
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オルタナティブ文明論 田坂広志
市場原理主義を超える「CSR」の潮流

前回、資本主義に「操作主義経済」から「複雑系経済」へのパラダイム転換が生じていることを述べた。そして、この複雑系経済に処するには、「管理」でも「放任」でもない、第三の「自律」という方法、すなわち、企業の社会的責任(CSR)への自覚を高め、「自己規律」を強めていくことが重要であることを述べた。

dialogue エゴからエコへ
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田口ランディ
これは日本の常識?

4泊5日で気功の合宿に行ってきた。気功を始めたきっかけは、昨夏の早池峰神社(岩手県)の御神楽だった。早池峰神社には500年もの昔から村の人たちによって伝えられている御神楽がある。

alterna×sustena
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マエキタ流 マエキタミヤコ
中止ショックは政権交代ショック。 ダイアログカフェで乗り越えよう。
─国民主権力、八ッ場ダム中止、全国に広がるトトロの森

政権交代したら、いままでなかなか出なかった群馬県八ッ場ダムのニュースが、どんどん出てる。住民団体は中止に反対、代表の若い男の人が涙を流しているけど、その団体の幹部には自民党の小渕優子さんの名前が。でもそれはテレビには映らないから、「中止はいいと思っていたけど、よくないことなの、どっちなの」とよく聞かれます。

alt keyword
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もり・ひろし/高橋さとみ
ISO26000ほか

国際標準化機構(ISO)が、現在ISO26000シリーズの策定を進めている。組織が果たすべき社会的責任を定める規格だ。すでに草稿は完成。2010年後半の発行に向けた最終作業が進んでいる。

green media
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エコスゴいトレンド情報 greenz.jp 世界に広がるビル型農場構想

国連食糧農業機構によると、人口増に伴って2050年までに約1.7倍の食糧が必要と推計されている。食糧問題は、ますます緊急かつ重要な課題だ。そんな問題の解決策となるかもしれないのが「ビル型農場」。都市内で土地を有効に生かすこの構想が、世界各地で次々と立ち上がっている。

地球環境を映像で読む Green TV Japan 環境教育の効果

「教育とは、人の個性や能力、元気を引き出すこと」─。そんな印象的なオープニングのメッセージでスタートする「五感で感じ取る環境教育」。財団法人 キープ協会で設立当初から環境教育事業を担当している環境教育のプロフェッショナル、川嶋直さんのコメントだ。 

CSR 1
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CSRトピックス  国内線全便でカーボンオフセットほか

全日本空輸(ANA)は、10月1日に国内線全便で「ANAカーボンオフセットプログラム」を開始した。オフセットクレジットとして、日本国内の森林で実施されるCO2削減プロジェクトから生じる森林吸収クレジット(J-VER)のみを利用する初めてのケースとなる。

CSR2
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CSR経営論 坂本文武 セレンディピティが変革を起こす

私がCSRのお手伝いをしている企業の多くは「人と組織の成長」を最初で最大の課題と特定するに至る。
多くの日本企業は、程度の差はあれ、いわゆる「大企業病」に悩んでいる。組織目標から細分化されて導き出された各自の業務を忠実に遂行するだけの社員が圧倒的多数を占める状態である。社員の変革機運は低調で、好機を好機として認識して対応することができない。

エコのご意見番 木内 孝 行動原則は「自然に良いか悪いか」

約800字のこの文章を皆様にお読みいただくために、僕はどんな努力をしたら良いのか。毎回考えながら書いています。
 「自然環境を守る」「エコについて考える」というように、持続性や社会責任についてのお話や文章は世間に溢れています。にもかかわらず、依然として世の中では信じられないようなことが次々と起こっています。話す人や書く人が期待するほど、聴く人や読む人の心に届いていないからだと思うのです。

CSR3
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ジョン・ウッドからの手紙 ルーム・トゥ・リード創設者
日本独自のチャリティーを

最近、日本でも人気女性誌の巻頭特集に社会貢献をテーマにした企画が多いと聞いています。ルーム・トゥ・リード(RTR)東京チャプターでも、スキルや人脈、アイデアともに豊かな女性達のパワフルな活躍が目立っています。

NPO1
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NPOトピックス
買い物でタイのHIV孤児を支援ほか

タイ北部チェンマイのHIV孤児支援施設「バーンロムサイ」が開園して今年で10年目。これを記念して、同施設で生活する子どもたちが製作した衣類や雑貨などを販売する「アンダーザツリー・ハート・マーケット」が12月18日から26日まで、東京・六本木のアクシスギャラリーで開かれる。

NPO2
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NPOフロンティア 原田勝広
君はチェ・ゲバラになれるか

いつの時代にも世界の若者に熱く支持されてきたキューバ革命の英雄、チェ・ゲバラ。歴史の「If」で、もしカストロに出会っていなかったらゲバラはハンセン病の医師になっていたかもしれない。そんな意外な事実を発見したのは、ハンセン病の取材で、瀬戸内海に浮かぶ長島の療養所、邑久光明園(岡山県瀬戸内市)に1カ月住むことになったことがきっかけである。

reportage
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ハングリー・フォー・ミッション サステコ
大学生の環境意識を高めたい

持続可能な社会をめざし、大学生たちが発信する環境系フリーペーパー。それが全国の大学に配布・設置されている「susteco(サステコ)」だ。発行部数は5千部だが、友達に回覧する仕組みを試行錯誤し、読者を増やしているそうだ。

alternative politics
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U-40が日本の政治を変える BNJ
「政権交代。」と「自己改革。」

「勝利したのは国民であって我が党ではない」。総選挙直後からこう表明してきた民主党による新しい取り組みが進んでいる。「政治主導」の旗のもと政治家に一層の努力を求める新政権が、これからの社会に何を示していくのか。私たち自身も自己改革しながら、政権を評価し、あるいはかかわっていくことが必要だ。

environment 1
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ニュースエッジ カナダ発の自転車シェアが人気 ほか

カナダで今年5月に始まったバイク・シェアリングシステムが話題を呼んでいる。町中にレンタル自転車ステーションを設置して、「乗り捨て自由」「24時間利用可能」なシステムとして貸し自転車サービスを始めたところ他都市へも波及。米国のボストンと英国のロンドンでも導入が決まった。ステーションの設置が手軽な上に環境対策に取り組んでいるPRにもなるとあって、各自治体は強い関心を寄せている。

environment 2
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藤井教授の環境金融論 上智大学大学院教授
アジア域内単位の温暖化対策を

8月末の衆議院選挙は、民主党がまさに「ランドスライド・ビクトリー(地すべり的圧勝)」で政権を獲得した。選挙直後に鳩山由紀夫代表(現首相)と電話会談したオバマ米大統領は「海(太平洋)の両側で民主党が勝利した」と鳩山民主党政権にエールを送った。

environment 3
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オルタナティブな空間 馬場正尊
快適で美しい本当のエコハウスとは

『未来の住宅/カーボンニュートラルハウスの教科書』という本を書いた。僕が建築を教えている、東北芸術工科大学の教授陣5人の共著で、現在の技術や社会状況、コストなどを考慮した上で、二酸化炭素排出を限りなくゼロに抑えた家のつくり方を探求した本だ。

food&health 1
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KIYOの哲学 実践編 南清貴/井上敬
大豆本来の味を楽しむなら

日本人は元々豆をよく食べてきた。各地にそれぞれ特徴的な豆があり、料理がある。各地を巡っていると、その独自性と、美学とも言えるほどに昇華された技法に驚嘆させられ、感動することが多々ある。

food&health 2
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グリーン・グルメ・ガイド ARTISAN TERRA
職人がつくる 希少な有機JAS認証のパン

素材がオーガニックなのはもちろん、生産工程や工房、作り手なども認証を得るために厳格な規格に基づいて手順を進めなければならない。いったいどんなパンなのか─。

culture
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movie
「アニエスの浜辺」古賀重樹 理知派女性監督の情熱

これまでインタビューした映画人で最も明晰な語り口だったのはアニエス・ヴァルダだと思う。1992年に自作「ジャック・ドゥミの少年期」の公開にあわせて来日したときのこと。抒情派の夫ドゥミとは対照的な理知派の監督らしく、言葉に澱みがなく、理路整然としていて、そのまま文章になる。さすがヌーベルバーグの才媛と、メモを取りながら心の中でうなった。

book
『目に見えない資本主義 ─貨幣を超えた新たな経済の誕生』 成熟した資本主義とは何か

これから資本主義に何が起こるのか―。今回の世界経済危機のさなか、多くの人が抱いているこの疑問に答えるために、本書を書きました。

alterna select
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旧暦美人ダイアリー2010 日本の暦で毎日を元気に楽しむ ほか

2009年も4分の3が過ぎ去り、そろそろ「来年の手帳、どうしようかな」と考え始める方も多いはず。そこで今回は、日本古来の旧暦で季節のうつろいを楽しみながら西暦の毎日を元気に楽しめる「旧暦美人ダイアリー」をご紹介したい。

fashion
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エシカル・ファッションの旗手たち 生駒芳子
ラグジュアリーの未来が宿る森

つねにラグジュアリー界、ファッション界をリードするルイ・ヴィトンから、また新たなメッセージが届いた。長野県小諸市に誕生した「ルイ・ヴィトンの森*」をご紹介しよう。

leisure
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東京ポタリング 山本修二
小松菜のふるさと江戸川区を走る

都営新宿線船堀駅前を走り出す。三島橋交差点から先は、一之江境川親水公園に沿って北上した。緑が作る木陰と水の流れを眺めて走れる癒し系の道。染物工場や水神宮など、どこか懐かしい雰囲気を楽しんだ。昼食は、圓福寺の先を曲がるとすぐにある長寿庵で。この店の自慢は、江戸川で発祥した地元産の小松菜を混ぜた手打ちうどん。緑鮮やか、細めの冷たいうどんで、ほどよく腹を満たした。

travel
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パタゴニア大自然紀行
港町で見た朝焼け

自然を求めて旅する時に、私は通常よりも朝早く起きることが多い。例えば登山の際には、たいてい早朝に出発する。動物観察する時も早朝だ。明け方に野鳥の行動が活発になるので、水辺などで待ち構えていると、えさを求めてやってくる。

ambassadors
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オルタナの輪 株主/ABC 各支部からの情報

地域活性化の輪を広げます
業務用安全衛生用品や独自技術によるプラスチック製品を製造・販売する株式会社ホワイトマックス(大阪府枚方市)はこのほど、 一般社団法人「ホワイトネット未来号」(http://www.miraigo.or.jp)を設立しました。これまで社員が個人的に行ってきた社会貢献的な取り組みを、同じ地域の企業や個人の皆さんなどにも広げたいと考えました。

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