LIXILは1月17日、住宅の脱炭素化に向けて、窓のシリーズを刷新し、トリプルガラスの高性能ハイブリッド窓「TW」を発売することを発表した。窓や玄関ドアなど開口部からの熱の流出が6割を占めることから、LIXILは開口部の高性能化を図り、CO2削減に貢献するねらいだ。単板ガラスの窓をトリプルガラスの窓に変えることで、熱流出を約80%抑えられるという。新築住宅だけでなく、既存住宅用にも展開する。(オルタナ副編集長=吉田広子)
日本の温暖化対策計画のなかで、家庭部門のCO2排出量は2030年度までに66%(2013年度比)削減することが目標として掲げられ、産業部門や運輸部門などよりも高く設定されている。
吉田聡・LIXIL 執行役専務(LIXIL Housing Technology 担当)は、「政策目標達成のために必要なZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)戸数の目安は313万戸だが、今のペースだと154万戸分及ばない見込み(2030年度)。だからこそ、新築住宅だけではなく、既存住宅のZEH化が重要だ」と説明する。
日本の家の約90%が現在の省エネ基準を満たしておらず、日本のすべての既存住宅の窓をトリプルガラスの窓にリフォームしたとすると、年間約1509万トンのCO2排出を削減できるという。
そこで、LIXILは、新築住宅用の高性能ハイブリッド窓「TW」とともに、既存住宅用に1日でリフォーム可能な取替窓「リプラス 高断熱汎用枠」も販売する。「TW」は、アルミと樹脂のハイブリット構造と、一般複層ガラスの約4.8倍の断熱性能を誇るトリプルガラスを掛け合わせた高性能窓だ。
LIXILは、「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までに、事業プロセスと製品・サービスを通じて、CO2の排出を実質ゼロにすることを目指している。