チェルノブイリ原発事故の被災地を日本から30年以上、支援してきた名古屋市のNPO法人「チェルノブイリ救援・中部」が、ロシアの侵攻を受けているウクライナを救援するための募金を始めた。長年交流してきた学校が爆撃で破壊されたが、現地の協力者や消防士らを通じたルートで生活用品などを直接届ける計画だという。(オルタナ編集委員・関口威人)

現地から爆撃を受けたとの報告があったウクライナ・ジトーミル市の25番学校(チェルノブイリ救援・中部のFacebookから)
■福島の子とも交流の学校が破壊
チェルノブイリ救援・中部はチェルノブイリ原発事故から4年後の1990年に設立。放射能で汚染されたウクライナの病院に医薬品や医療機器を提供したり、現地の子どもたちとの交流を進めたりしてきた。
菜の花による土壌浄化も実践した経験から、2011年の東京電力福島第一原発事故後は、福島県南相馬市で除染や菜種油の商品化にも取り組んでいる。
今回のロシア軍の侵攻で、長年交流してきたジトーミル市の「25番学校」が爆撃を受け、校舎が破壊されたとの連絡が入った。
この学校の子どもたちは、南相馬市の幼稚園などにクリスマスカードを贈ってくれたことがある。また、校舎破壊時の爆風で、連携してきたNGO「チェルノブイリ・ホステージ基金」の事務所も壊滅的な被害を受けたという。

現地の子どもたちは、福島県南相馬市の子どもたちにクリスマスカードを贈って交流したこともある(チェルノブイリ救援・中部のFacebookから)
■消防士中心のルート確保し救援物資
同法人は現地の協力者と連絡を取り合いながら、消防士たちを中心とした支援ルートを確保し、安全性を確認しながら支援するめどを付けた。
現地に残されている人たちに必要な医薬品や食品、衛生用品、毛布などの生活用品のほか、消防士たちの活動に必要な機材などを届けることを想定している。「ウクライナ救援基金」として専用口座を7日までに開設した。
理事の戸村京子さんは「ロシアがどこまで街を破壊しようとしているのか分からず、私たちも混乱しているが、ヨーロッパ経由で確実に物資を届けたい。ぜひ募金に協力をしていただきたい」と呼び掛けている。
(専用銀行口座)
三菱UFJ銀行 名古屋営業部(店番150) 普通 口座番号6949211
特定非営利活動法人チェルノブイリ救援中部