電力10社金融市場で信用低下


電力企業の信用が金融市場で低下した 写真は東京証券取引所

東京電力福島第1原発事故の影響で、金融市場での電力会社の信用力が急速に低下している。ムーディーズ・ジャパンで5段階の格付け引き下げなど、東電債の価格は急落(金利は上昇)。国債との金利差は3月10日には0.11%だったが、4月28日には2.27%と約21倍に拡大した。電力会社は4月に全社が資金調達の重要な手段だった社債発行を、4年4カ月ぶりに見送った。

電力債は今年3月末の発行残高で13兆円と、同期社債発行残高(61兆円)の2割となる社債市場の中心だった。電力債は高い信用力を持っていたが、今回の原発事故と各社の経営悪化が懸念されていずれも売り込まれた。

電力各社の株価も下落している。中部電力は9日、政府要請による浜岡原発停止を受諾した。同日の同社株価は、東証一部上場企業の中で下落率トップのマイナス10.3%、前日比182円安の1584円となった。(石井孝明)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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