スズキ、地震リスク解消で工場分散へ

スズキの鈴木修会長兼社長は23日の記者会見で、「(東海大地震が到来した場合)自社設備が津波や液状化現象、原発事故などの影響を受ける可能性がある」として、静岡県浜松市の本社や同県東部、愛知県に集中する工場や研究施設について、移転や生産の分散化を検討していることを明らかにした。時期や範囲は未定だが、移転先は静岡県内が中心になるという。

静岡県は東海大地震が予測され、今年5月に菅直人首相は静岡県東部にある浜岡原発の安全性が確認されるまでの停止を表明、中部電力が受け入れていた。地震と原発など、災害の多発する日本の現状に合わせ、企業の対応が加速している。

同社はインドネシアの四輪車工場で約300億円の増強投資を実施する計画も合わせて表明した。分散化の理由について鈴木会長は「地震に、津波に、原発に、液状化現象もあり得る。(工場の立地環境は)砂上の楼閣だ。地震の被害を想定すれば、工場の再配置は経営者として避けられない」と、説明した。(オルタナ編集部=石井孝明)

●スズキIR情報

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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