東京電力は9日、第1・四半期(2011年4-6月)の当期損益が5717億円の赤字になったと発表した。福島原子力災害の損害賠償費など、5032億円の特別損失の計上に加えて、節電による売上高の減少、さらに火力発電の増加や復旧に必要な経費の増加が響いた。
前年同期は54億円の赤字だが、第1・四半期ベースの赤字幅は過去類例のない巨額になった。決算発表で、同社は損害賠償の総額は今後どの程度まで膨らむか見極めがつかないと説明する一方で、賠償支援の法律が国会で成立するため、その助けを受けることで債務超過や倒産に即座に陥る可能性は少ないとしている。
特別損失は福島原発事故による住民避難や福島の企業、農業への損害賠償費として3977億円、事故の終息に向けた特別災害損失1055億円を計上。計画では資産売却で6000億円以上の確保を目指す方針だが、同期に実行できたのは115億円に過ぎなかった。経常損益ベースでは627億円の赤字となった。(オルタナ編集部=石井孝明)
東京電力IR情報
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