セミナー: 解説「グリーン社会に向けた独禁法上の指針」

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オルタナは5月11日、第40回SBL月例セミナーを開きます。公正取引委員会がこのほど公表した、「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法の考え方(指針)」について、策定を担当した公取委の担当官に解説してもらいます。同指針は、脱炭素に向けた企業連携などについて、独占禁止法違反になる行為とならない行為を76の想定例として紹介しました。(オルタナ編集部)

公取委は3月31日、「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法の考え方」を公表しました。公取委が脱炭素に関する独禁法の指針をまとめたのは初めてのことです。

公取委が公表した指針において、違反になる行為はイノベーション阻害や、入札談合、受注調整、価格カルテル、数量カルテル、技術制限カルテルなど、いわゆる「ハードコア・カルテル」と呼ばれるものです。

カルテルが横行すると、本来、各事業者の自主的な判断に委ねられるべき価格や生産数量が決定されてしまいます。新規参入者や既存の業者を排除することで競争制限効果が懸念されます。

■独禁法違反になり得る事例(要旨、一部)は次の通り

1: 事業者X、Y、Zは役務の提供に当たって排出される温室効果ガス(GHG)の削減方法を議論するための作業部会を立ち上げた。作業部会において、各種対策を行うために一定コスト増が見込まれることから、共通の温暖化対策費を需要者から徴収することを決定した。

2: 事業者団体Xは、商品の製造過程で排出されるGHGを削減するため、会員事業各社が製造する特定商品の年度別生産量を、会員事業者に対して生産量の割り当てを行った。

3: 製造販売業者X、Y、Zの3社は、GHG削減のため、既存の生産設備をGHG排出が少ない新たな生産設備に転換しようとしていたが、相互に連絡を取り合い、既存の生産設備を廃棄する時期や廃棄する生産設備の対象を決定した。

今回の指針は、企業連携だけに留まらず、サプライチェーン上の取引先との関係性についても独禁法の考えをまとめました。中小企業からは、GHG排出量の削減に関して大企業から一方的に押しつけられるという懸念が出ていました。

公取委は今後、継続的に指針の見直しを行います。「グリーン」の定義はあいまいで、最終的に独禁法に違反しているか決めるのは、事業ごとの「個別判断」になります。

ケースによりますが、独禁法違反になると、排除措置命令や課徴金納付命令、悪質性が高いと事業者の刑事告訴もあります。

この指針の策定を担当した公正取引委員会経済取引局調整課の担当官をゲストに招き、ポイントを解説してもらいます。

とき: 5月11日(木)16:30~17:20@zoom
ゲスト: 公正取引委員会 経済取引局調整課 課長補佐 五十嵐 収氏
参加費:無料*(SBL有料会員もしくはSBL無料会員)*SBL有料会員ではない方は無料会員登録をお願いします。無料会員登録はこちら

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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