九州電力は12日午後に臨時取締役会を開き、眞部利應社長の後任に瓜生道明副社長を充てることを決定した。松尾新吾会長は相談役に退き、後任に貫正義副社長が就く。眞部社長は昨年12月26日の記者会見で玄海原発をめぐる「やらせメール」問題を受けて引責辞任する意向を明らかにしていた。
やらせメール問題が発覚したのは昨年7月。九電は最終報告書を昨年10月に経済産業省に提出したが、第三者委員会が発端として認定した古川康・佐賀県知事の発言について一切言及がなく、再提出を求められるなど、事態の収拾は後手に回った。
九電は社長と会長の交代で信頼回復を図るとみられるが、玄海原発プルサーマル裁判の会の於保泰正事務局長は12日、「第三者委員会の事実認定が宙に浮いたままでの交代は疑問だ。九電の実権を握る松尾会長は一切の役職から退くべきだし、やらせメール問題を引き起こした取締役会全体の刷新が必要なのに副社長が昇格するのはおかしい」と語った。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年1月12日