電力各社決算、軒並み最終赤字

厳しい表情で赤字決算を発表する中部電力の水野明久社長

関西電力と中部電力は31日、2011年4~12月期決算を発表し、ともに連結決算で大幅な赤字を計上した。

原発停止にともなう火力発電用の燃料費増加が影響。原発の再稼働は見通せず、関電は通期の業績予想も引き続き「未定」とした。

関電は連結決算で純損益が1181億円の赤字で、四半期決算の公表を始めた03年度以降の4~12月期としては最大の赤字幅となった。

中部電力は収入単価の上昇で連結売上高は前年同期比1.8%の微増だったが、経常損益は418億円の損失となり、関電と同様の03年度以降では初の赤字。通期でも1000億円の経常損失を見込み、連結決算を始めた1994年以降、初めての赤字転落に直面する。

浜岡原発停止による収支の影響は2800億円に達する見通しで、水野明久社長は「聖域を設けずに経営効率化を進める」と明言。ただし、発送電分離などの抜本改革については「現行制度がわが国の実状にあっており、きちんと継承するべきだ」と否定的な考えを示した。

30日に四半期の決算発表をした九州電力は905億円の最終赤字で、やはり通期の業績は「未定」としているが大幅な赤字は避けられない見通しだ。(オルタナ編集委員=関口威人)

 

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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