NAS電池を回収修理、生産再開へ--火災事故で日本ガイシ

新規生産は、本年度下期の開始を予定している

大容量蓄電池「NAS(ナトリウム硫黄)電池」を世界で唯一、商用生産する日本ガイシ(名古屋市)は7日、不良品の交じった製品が火災事故を引き起こしたとして、これまで国内外に出荷した約4000台分の装置をすべて回収し、修理すると発表した。

昨年9月、茨城県常総市の三菱マテリアル筑波製作所で日本ガイシ製のNAS電池から火災が発生。同社は出荷を停止し、第三者の事故調査委員会を設けて原因を究明していた。

その結果、システムを構成する384本の「単電池」のうち1本が製造不良で、高温の溶融物が流出、他の電池との間でショートを起こして発熱から火災に至ったことがわかった。

原因が究明できたとして、同社は今月中に生産拠点の小牧工場(愛知県小牧市)の操業を再開、回収品の修理とともに安全対策を施した改良品を製造する。

NAS電池はナトリウムと硫黄の化学反応から充放電を繰り返す蓄電池で、電解質のセラミック部品を同社が独自に実用化。自然エネルギーを組み合わせるスマートグリッドには欠かせない技術として期待されているが、高温状態での安全管理が難点となっている。(オルタナ編集委員=関口威人)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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