福島第一原発の事故処理、日系ブラジル人にまで触手

群馬などに暮らす多くの日系ブラジル人の若者が応募したという

東京電力福島第一原発の事故処理で、日系ブラジル人にまで日雇いの募集がかかっていたことが分かった。

1日2時間の作業で3万円という破格の条件で、日本語が不自由な可能性がある日系人に対して、危険が伴う作業の求人を募集したことについて批判が集まりそうだ。

求人広告を出した人材派遣業者には抗議が殺到し、すでに広告は打ち切られているという。

広告が掲載されたのは在日外国人を対象にしたフリーペーパー「インターナショナルプレス」。5月12日から1週間、ポルトガル語で「福島/20㌔圏内/がれきの除去」などの作業内容とともに日当3万円の条件が示されていた。

広告主は大阪市中央区の人材派遣会社「セルテック」で、日系ブラジル人をはじめ中国人や欧米人もあっせんしている。

同社の担当者はオルタナの取材に対し、「広告は打ち切った。あっせんした人数や募集開始の時期などについては一切答えられない」と話した。

ブラジル大使館によると、「派遣会社に事情説明を求めるために電話した時には、既に同社にブラジル人のほか日本人からも抗議の電話が殺到したために、広告は打ち切られていた。現在、ブラジル人が福島第一原発で働いているという情報は把握していない」という。

これに対し、東電広報部は「弊社が直接雇用している外国人労働者はいない。下請け企業が雇用している従業員に対しては把握も、説明する立場にもない」と答えている。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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