子ども支援の国際NGO であるセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(東京・千代田)は、今年7月からケニア北東州ワジール南県およびハバスウェイン県で、水環境改善と減災活動を行っている。2年連続の雨不足が原因で東アフリカ地域は、昨夏、過去60 年で最悪と言われるほどの大干ばつに見舞われた。その結果、農作物の不作による食料価格高騰、家畜生産の停滞により大幅な収入減に直面している。
東アフリカ地域では毎年のように自然災害が繰り返され、干ばつが慢性化しつつある。特に子どもへの被害は深刻で、水や食料不足に加え、牧草を求めて遠くまで放牧に行くため、就学の機会が奪われることも多いという。
さらに、手洗いなどの衛生環境を保つ行動が制限されるため、免疫力が低下するなど、子どもを災害の影響から守る取り組みが求められている。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは昨夏の大干ばつ発生時から、特に被害が著しかった地域の一つであるケニア北東州ワジール南県およびハバスウェイン県に日本人職員を派遣し、浅井戸の整備や貯水タンク、手洗い場の設置などを行ってきた。
今年2月から6月までは、小・中学生を対象とした子どもクラブを発足させ、子ども参加による減災知識の習得と普及に取り組んできた。
7月からは子どもをはじめ、コミュニティ全体の災害適応力をより一層向上させるため、行政関係者の能力強化や、学校周辺の給水施設の改善、減災のための学校菜園などを実施している。(オルタナ編集部=吉田広子)