「日本守れ」反原連、自民党本部前で抗議

「日本を守れ」「自民党解体」。自民党本部前で2日夜、首都圏反原発連合(反原連)が脱原発を求める抗議行動を行った。これまで一貫して原発推進を主導し、先の総裁選挙では5人の候補全員が政府の原発ゼロ方針に反対した自民党に対して、主催者らは「50年分の抗議をぶつけよう」などと声を上げた。

■新執行部も「原発推進」

抗議に集まった人々=2日夜、自民党本部前で

抗議は午後6時に始まり、参加者数は主催者発表で1千人。毎週金曜日夜に首相官邸や国会の前で抗議活動を続ける反原連が、9月25日の経団連前に続いて緊急抗議を組んだ理由は、過去の原発推進や東電原発事故への自民党の「反省のなさ」にある。

29日に発足した安倍晋三総裁率いる新執行部では、総裁選に出馬した石破茂氏が幹事長、原発推進派の有力議員と目される甘利明元経産相が政調会長に就任。反原連は呼びかけ文で「原発ゼロを求める世論を無視し、(政権復帰すれば)半永久的な原発存続に邁進しようとしているのでは」と警鐘を鳴らす。

参加者で都内在住の20代の会社員の女性は、安倍総裁が原発ゼロ方針に反対していることに対して「原発をとめてほしい。信じられない」と話す。また、同40代のアルバイトの男性は「自民党は『国土を守れ』と言いながら、(原発維持という)正反対のことを進めようとしている」と語気を強めた。

■「保守だからこそ脱原発を」

「子供たちの命と山河を守れ」と書かれたのぼりも登場=2日夜、自民党本部前で

「子供たちの命と麗(うるわ)しき山河を守れ」と大書したのぼりを掲げて参加した川崎市在住の47才の会社員の男性は、保守の立場から抗議に参加。「原発に関しては保守も何もない。むしろ保守だからこそエネルギー政策を考え直し、自然エネルギーに移行しなければいけない」と話す。

自民党は保守政党として原発推進を主導してきたが、過疎地域に原発を誘致する一方でモラルハザードに陥った原子力ムラを生み出し、東電原発事故に至った。その党本部を前にして、男性は「自民党は保守として脱原発を率先するべきだ」と語った。(オルタナ編集委員=斉藤円華)2012年10月3日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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