2016年度に予定されている電力小売の全面自由化を見据え、消費者が自然エネルギー電力を選べるよう環境作りをめざす「パワーシフト・キャンペーン」が、9日に発足した。政策提言に加えて、「自然エネルギーの電力会社や市民電力事業を選びたい」という市民の声を可視化するのが大きな目的だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■家庭も「電力会社を選べる」時代に

電力小売の全面自由化で、従来は地域独占の電力会社からしか電気を買えなかった家庭も、自由に電力会社を選べるようになる。電力小売市場には、新たに企業や自治体、市民電力などの「新電力」(PPS)が多数参入することが予想されている。
キャンペーンでは、消費者が自然エネルギーの電力会社や市民電力を選べるよう、政策提言や世論の拡大に取り組む。
政策提言では、経済産業省の専門家委員会の議論で、電力会社が消費者に電源の種類、および料金の費用内訳を説明するよう、現状では義務づけていない点を問題視。小売する電力に関して電源構成、排出するCO2や放射性廃棄物の量、および電気料金に含まれる託送費用や原発関連費用を開示するよう求める。
また世論喚起においては、自然エネルギーの電力会社を希望する市民から「パワーシフト宣言」を募る。宣言した人には後日、自然エネルギー電力会社に関する案内を提供する予定だ。当面、1万人から宣言を募ることを目標としている。