伊藤忠商事、「オレンジボンド」でジェンダー平等促進へ

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記事のポイント


  1. 伊藤忠商事は「オレンジボンド」を発行し、ジェンダー平等を促す
  2. 企業によるオレンジボンドの発行は国内で初めて。発行額は152億円
  3. 調達した資金は卵子凍結保管や不妊治療などの費用に充てる

伊藤忠商事はこのほど、資金使途をジェンダー・ポジティブな取り組みに限定した「オレンジボンド」を発行した。企業によるオレンジボンドの発行は国内で初めて。発行額は152億円で、年限は3年、利率は1.110%。調達した資金は、福利厚生としての卵子凍結保管や不妊治療、託児所整備費用などに充てる。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

オレンジボンド(ジェンダーボンド)とは、女性活躍推進などジェンダー平等に資するプロジェクトに資金使途を限定した債券である。債券は、オレンジボンドイニシアティブが定義する「オレンジボンド原則」に整合した形で発行する。

伊藤忠商事はオレンジボンドを9月11日に発行した。資金使途としては、福利厚生としての卵子凍結保管や不妊治療などに係る費用、周産期医療を提供するクリニック運営費用などに充てる。サプライチェーン上で女性が活躍する企業や同社のフェムテック事業への投資も行う。

学校法人和洋学園(理事長:溝田泰夫)は、伊藤忠商事がオレンジボンドを発行したことに対し、投資を決めたと発表した。

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同学園は、「本学はジェンダー平等の推進及び社会の課題解決につながる事業やSDGsの達成に貢献する事業を資金面からサポートし、持続可能な社会の形成に寄与すべく、社会的使命・役割を果たしていきたいと考えております」とした。  

オレンジボンドは、女性主導のプロジェクトや女性の支援につながる事業への資金提供を促すものだ。環境問題の解決を目的としたグリーンボンド(環境債)、海洋環境の保全を目指すブルーボンドに続くESG債として注目されている。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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