ブラジル産コーヒー豆に強制労働リスク、人権団体が懸念示す

記事のポイント


  1. 国際人権NGOは「食品・飲料セクターベンチマーク2026」を公表した
  2. 報告書は、ブラジル産コーヒー豆の供給網で強制労働のリスクを指摘
  3. 一方で、こうした問題に対する企業の取り組みが不十分だと懸念を示した

国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC、本部:英ロンドン)はこのほど、サプライチェーン上の人権リスクを分析した「食品・飲料セクターベンチマーク」の2026年版を公表した。報告書は、世界最大の生産国であるブラジル産コーヒー豆の供給網で強制労働のリスクを指摘した。一方で、こうした人権問題に対する企業の取り組みが総じて不十分だと懸念を示した。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)

「ノウ・ザ・チェーン2026 食品・飲料セクターベンチマーク」の報告書
「ノウ・ザ・チェーン2026 食品・飲料セクターベンチマーク」の報告書

食品サプライチェーンでは、長年にわたり強制労働のリスクが指摘されている。BHRRCは、企業活動をベンチマークするプロジェクト「KnowTheChain(ノウ・ザ・チェーン)」を立ち上げ、投資家に情報を提供するとともに、強制労働に対する企業の対応を促すことを目指している。

ノウ・ザ・チェーンのベンチマーク手法は、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した主要テーマに基づき、企業の取り組みを評価している。評価は「コミットメントとガバナンス」「トレーサビリティとリスクアセスメント」「調達行動」「採用活動」「労働者の声」「モニタリング」「救済措置」の7つのテーマだ。

「ノウ・ザ・チェーン2026 食品・飲料セクターベンチマーク」は、食品・飲料セクターのグローバル大手45社を対象に、強制労働リスクへの取り組みを評価した。日本企業では、味の素、イオン、キッコーマン、セブン&アイ・ホールディングス、明治ホールディングス、ヤクルト本社の6社が含まれている。

評価の結果、一部に前向きな進展は見られたものの、45社全体の平均スコアは100点中15点という低水準にとどまった。

100点中50点を超えたのは、オーストラリアの食品小売大手であるウールワース(56点)とコールズ(55点)の2社だった。その後に、ユニリーバ(47点)、テスコ(42点)、ザ・ハーシー・カンパニー(41点)が続いた。

報告書は、「多くの企業が形式的なコンプライアンス(法令遵守)に依存し、サプライチェーンにおける強制労働に対処する実効性のあるアプローチを講じられていない」と指摘した。

(この続きは)
■ 日本企業は味の素がトップ、平均スコアは100点中9点
■ブラジル産コーヒー豆に強制労働のリスク
■「食品・飲料セクターベンチマーク」2026年のランキング

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yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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キーワード: #ビジネスと人権

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