東京を中心に廃棄物の収集・運搬を行う白井グループ(東京・足立、白井徹社長)は2021年4月から、ゴミの収集事業をAI技術で一元管理し、効率を高めることで低炭素化を進めるプラットフォームづくりを始めた。RFIDタグ(非接触型電波タグ)を使うことで、より細かい収集も可能になり、循環経済にも寄与できるという。(オルタナ編集部)

同社は「デジタル資源循環」とAIによる配車システムを掛け合わせ、物流の最適化やデジタル営業、資源循環の促進を目指す。
デジタル営業とは、これまで対面営業やマニフェスト(産業廃棄物の管理票)のデジタル化などを指し、新型コロナ禍において、ゴミ排出者の負担も軽減できるという。
白井グループがDX事業を進めるのは、新型コロナ禍で産業廃棄物の排出量が減ったことも背景にある。売上高が減少する中で利益を確保するためには、デジタル化やAIによる効率化を進め、コストを圧縮することが必須だからだ。
同プラットフォームは単独ではなく、ゴミ収集の同業他社にも参加を募り、規模を拡大しながら収集の効率化を進める。
プラットフォームにはこれまで8社が参画し、事業規模はすでに数千万円に達ししている。プラットフォーム全体では、顧客数1万件を目指す。
AI配車のシステムは、イー・トラック(東京・新宿)が開発した。今後、東京23区内の有力な商店街で導入し、複数の収集会社によるゴミ収集事業をAIで効率配車することを目指す。
白井グループの白井社長は「銀座のような小規模なごみ排出が多い地域も、大企業であっても、複数社の収集車をAIでまとめて配車した方が効率が良い。CO2削減の観点からも取り組みを始めた」と意気込みを語る。
同グループは2020年秋から22年3月まで、アスクルが回収したクリアホルダーを再資源化したり、サントリーMONOZUKURIエキスパートとペットボトルの回収で連携したりするなどの取り組みも始めた。
将来的には、クリアホルダーやペットボトルなど、よりきめ細かい分別収集もこのプラットフォームに取り込み、再資源化を進めたい考えだ。