
京セラ(京都市)は名古屋市の南東部を走る名古屋第二環状自動車道(名二環)に、国内の高速道路としては最大規模となる出力約2メガ(2千キロ)ワットの太陽光発電システムを設置した。年間発電量は一般家庭約460世帯分に相当する約218万キロワット時になる見込みで、道路の照明や料金所で使われる電力などの4割程度をまかなえるという。ただし蓄電池はないので夜間の電力とはならない。
設置したのは今年3月に開通した名二環の植田地区、有松地区、鳴海地区の計3カ所。これまでほとんど活用されていなかったトンネルの屋根の上などに約9,500枚の太陽電池モジュールを取り付けた。周辺にはマンションも立ち並んでいることから、太陽光の反射を分散する特殊な表面処理を施している。
総事業費約15億円は道路を管理する中日本高速道路株式会社の負担だが、そのうち5億円は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金。単純計算すると1kw当たり75万円のコストがかかっていることになる。
同社は国内販売子会社である京セラソーラーコーポレーションを通じて、高速のほか空港や駅などの公共施設に太陽電池の設置を進めている。震災後の自然エネルギーへの期待を背景に、今後もさまざまなタイプの製品を開発していく方針だ。(関口威人)