原発避難者「経産省前テントは第二の故郷」

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脱原発を訴える市民団体らが東京・霞が関の経済産業省敷地に設置したテントをめぐり、国がテントの撤去と土地の明け渡しを求めて提訴したことを受けて、テントを運営する市民らは12日夕方、経産省前で抗議を行った。

経産省前で訴える亀屋幸子さん=12日夕方

今回の提訴に先立ち、国は市民団体側の代表2名を相手取り、土地利用相当額の損害金として約1100万円を請求。ルポライターの鎌田慧氏は「経産省は原発事故で国土を汚した。国民には政府の誤りを正す権利があり、それを行使しなければならない」とテントの意義を述べた上で、「テントに集まり、電力独占体制のデタラメに対して抗議する市民を国は訴えた。原発政策を批判する市民を訴えて金を取ろうとする政府は誤っている」と国の対応を批判した。

東電原発事故で福島県双葉町から避難している亀屋幸子さんは「福島第一原発から1.5キロメートルの自宅から着の身着のままで何も持たずに逃げ、都内の避難先では何もない部屋で1か月、夫と泣きながら暮らした。テント広場で出会った人々に励まされなければ、立ち直れなかった。事故で故郷が奪われた私にとってテントは第二の故郷。経産省はここを奪わないでほしい」と訴えた。

テントは2011年9月に設置され、昨年1月に経産省が自主的退去を求めたが、市民団体側はこれを拒否。政権が交代して今年3月15日、茂木敏充経産相は「国有財産が長期間不法占拠されている状況は本来許されない。民事訴訟による解決が必要と判断した」と述べ、テントの立ち退きに向けた手続きを進める姿勢を明確にした。

被告の一人で、市民団体代表の正清太一氏は「廃棄物処理などで行き詰まる原発の問題を明らかにするためにテントを運営している。経産省内はもとより、霞が関で働く役人で、表向きは黙っていても内心は原発をやめるべきと思っている人は多いと感じる。そうした人々が勇気をもって声を上げなければ、原発はなくならない」と話した。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

2013年4月15日(月)9:00

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