「出る杭は愛される」、ベン&ジェリーズのCSR戦略とは

■ ネガティブ情報の開示を恐れるな

クリス・ミラー氏のお気に入りフレイバー、アメリカン・ドリームならぬ、アメリ・コーン・ドリーム。カラメルや、ファッジでコーティングされたワッフルなどが入っており、「権利章典」よりも甘い、とのこと。写真は選挙記念のパッケージ。コメディアンとの共作で、選挙と金というセンシティブな問題をユーモラスに扱っている

――社会活動を他の部署のスタッフと共有するためにしていることはありますか。

一番実効力があるのは、実際のプロジェクトを通して一緒に仕事をすることです。

例えば、今全社をあげて取り組んでいる原料のフェア・トレード化と非GMO化は、それこそ調達、パッケージング、マーケティングなど、全ての部署がからんできます。

こういったプロジェクトが、何よりの共同での学びの場です。B&Jは約200~500億円の年商(2009年度実績)に対して、年間2億円以上ものお金をNGOに寄付していますが、実はその何倍ものお金を、例えば原料を調達するのに使っている。

そのお金をより社会により良い形で使うこと、そういうビジネスモデルをつくり上げて成功すること、それが何よりの変革へのドライバーとなるはずなのです。

――CSRのような活動は、多くの人に認知してもらうことが簡単ではない場合もあります。プレゼンスを上げるためにできることは何でしょうか。

影響力のあるリーダー達をうまく引き入れることは大事なのですが、草の根レベルでの盛り上がりも同じように大事です。

上の人間を味方につけてトップダウン、下からのボトムアップが両方あって初めて、それをつなぐ立場にある実行部隊は結果を出すことができる。

それから、対外的には透明性が大切です。完璧な人間などいないように、どんな企業だって完璧ではない。うまくいっていることがある一方、問題を抱えている部分もある。それが当たり前。

だから、ネガティブな側面を正直に開示することを恐れないでほしいのです。それは消費者やステークホルダーからの信頼を得るのにとても大事なことです。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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