自転車シェアに見る複合課題への対応(2)[笹谷 秀光]

所有よりも利用のほうが合理的だと消費者が思うかどうか、その価値観が問われています。この仕組みを「みんなで使い、みんなで学ぶ」実践的学習が重要です。グローバル人材育成には最適の学習テーマです。

ちよくる、丸ビル横で筆者撮影、向こうに見えるのは東京駅
ちよくる、丸ビル横で筆者撮影、向こうに見えるのは東京駅

また、この仕組みの構築には、故障対応、事故防止のための自転車専用レーンの整備、自転車の盗難防止、使用上のマナー等のさまざまな関係者間での連携・調整が必要です。情報技術などの粋が活用されており、関係者連携からイノベーションが生まれ、共有価値の創造につなげていくことが期待されます。

そのための関係者の協働・連携のヒントを探る有力な「手引」をここで紹介しておきましょう。国際標準化機構(ISO)という国際機関が、世界の多様な関係者と議論して2010年11月に発行した「社会的責任の手引」(ISO26000)です。読みこなしてみると、現下のグローバルな社会課題への企業や組織の対応について大変参考になります。次回から、これにも触れていきます。

「ももちゃり」のサイト
http://okayama-ccs.jp/
千代田区のホームページ
http://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/kankyo/cycle/start.html
NTTドコモの専用ページ
http://docomo-cycle.jp/chiyoda/

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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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