「ご当地キャラ」から学ぶ、地方創生のヒント [笹谷 秀光]

■ 「まち・ひと・しごと創生」のプラットフォーム

門康彦 淡路市長と筆者、2015年1月22日、市役所を訪問しご当地キャラについて語りました。
門康彦 淡路市長と筆者、2015年1月22日、市役所を訪問しご当地キャラについて語りました。

「ご当地キャラ」はもともと地方自治体のシンボルキャラクター的なものでしたが、「ゆるキャラグランプリ」(第二回からゆるキャラサミット協会主催)により運動が盛り上がってきました。「ゆるキャラ」は「ゆるいマスコットキャラクター」の略で、この言葉はみうらじゅん氏と扶葉社が商標登録しています。

2010年の第一回グランプリでは、滋賀県の「タボくん」(携帯投票部門)と彦根市の「ひこにゃん」(記名投票部門)が優勝。商業的にも成功して注目され始めたのは、「ひこにゃん」あたりからかもしれません。第二回は「くまモン」(熊本県)で、その後「バリィさん」(今治市)、「さのまる」(佐野市)、「ぐんまちゃん」(群馬県)と続いています。グランプリ効果もあり、ますます地域が活性化しています。

ご当地キャラの管理主体は、県、市町村、観光協会などの団体、私企業や個人に分かれます。使用許諾には有料、無料があり、商標登録に関しても登録済み、未登録などバラバラです。

「くまモン」は、県が管理し、県産品の推進や県のPRへの寄与が要件で、使用料は無料ですが登録が必要です。利用許諾数は1万5000件を突破、2013年の関連商品の年間売上高は約449億円と発表され、海外進出も果たし、最も経済的に成功している事例です。

©2010熊本県くまモン。くまモンと、2014年10月18日、熊本市での日本広報学会発表会にて
©2010熊本県くまモン。くまモンと、2014年10月18日、熊本市での日本広報学会発表会にて

2014年末に地域活性化のための「まち・ひと・しごと創生法」が成立し、これを契機に更なるアイデアが誘発されることが期待されます。まち・ひと・しごと創生には、幅広い関係者が協力して知恵を出すべきです。そのためには、たとえば、ご当地キャラのようなソフト面での連携の基盤としての「プラットフォーム」も有効です。

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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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