「辺野古の海守れ」国内外の環境NGO、31団体が緊急共同声明

■「民意無視しないで」

辺野古沿岸では、国の新基地建設に向けた作業に対して、市民が非暴力で抗議活動を続ける。カヌーに乗り、海上での抗議に参加する堀田千栄子氏は「市民が海で海上保安庁と、陸でアルソック(警備会社)や機動隊と対峙している状況。作業を進めることで、沖縄県民を警備する側と抗議する側とに分裂させようとしている」と述べた。

さらに堀田氏は「日本政府は沖縄を『基地の島』としてしか見ていない」と指摘。「戦争になれば真っ先に沖縄が(攻撃対象に)狙われてしまう。基地はいらないという沖縄の民意は示されている。民主主義というのであれば、国は民意を無視する行動をやめて欲しい。東京でももっと反対の声をあげて」と訴えた。

沖縄の米軍基地は、米軍統治時代に核兵器や、ベトナム戦争で使用された「枯れ葉剤」の備蓄拠点として機能した歴史を持つ。基地で使用、あるい埋設された化学物質による汚染も危惧される。新基地の建設で、同様の懸念が新たに生じることも否定できない。

ラムサール・ネットワーク日本の花輪伸一氏は「沖縄では、返還された米軍用地から化学物質が出てくる例は多い。最近でも(以前は嘉手納基地だった)沖縄市のサッカー場からドラム缶が掘り起こされ、ダイオキシンが検出された」と述べた。

その上で花輪氏は「米軍は撤退しても基地跡地の汚染除去を免除されているが、米本国では絶対にありえない話だ。米軍を自由にさせている日米地位協定を直さない限り、基地被害はなくならないし、基地も減らせない。日本国憲法がないがしろにされている」と指摘した。

会見には沖縄選出の仲里利信衆院議員も姿を見せた。防衛省は現在、沖縄県の翁長雄志知事が辺野古での作業を停止するよう指示したことを受け、農林水産大臣宛に不服審査請求を行っている。これについて仲里氏は「海域を管轄するのは県知事のはずで、農水省に話を持っていくのはお門違いだ」と話した。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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