住民防護策、国の措置は「最小限」に後退? 原発事故対策指針の見直し案で

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原発事故時に住民を被ばくから守ることを目的とした国の対策指針で、現在見直しが進められている。原子力規制庁が示した改定案では、放射性物質を大量に含む空気(プルーム)への対策や、30キロ圏外でのヨウ素剤の配布や服用を検討するなどとした現行の方針を否定。SPEEDIを使わず、放射性物質の実測モニタリングにより防護措置を判断する方向に転換する内容だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■規制庁「SPEEDIは使えない」

市民との交渉に臨む規制庁担当者。左から高野氏、松原氏=2日、都内で

市民との交渉に臨む規制庁担当者。左から高野氏、松原氏=2日、都内で

東電原発事故では福島県双葉町、30キロ圏外の飯館村などで、避難中の住民が被ばくした。いずれも原発の風下にあたり、プルームが通過。2011年3月23日に公表されたSPEEDIの計算結果では、放射性物質が浪江町や飯館村がある北西方向に大きく広がった様子が再現された。

現行指針ではSPEEDIの活用について「可能な範囲で放射性物質の放出状況の推定を行う」としているが、改定案では削除。実測モニタリングに基づいて防護措置の判断が下されることになるため、予測に基づき避難やヨウ素剤の服用などの防護を行うことが出来ない。

2日に都内で行われた政府と市民との交渉で、規制庁の高野格・課長補佐は「気象状況は時々刻々と変化するためSPEEDIは使えない」と断言。これに対して市民からは「SPEEDIの拡散予測は正確だった。予測があれば避難も可能だ」「国民が求める防護措置と乖離している」などと疑問視する声が上がった。

■ヨウ素剤「30キロ圏外は不要」?

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2015年4月3日(金)17:10

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