九州電力川内原発1・2号機(鹿児島・薩摩川内市)をめぐり住民が起こした運転差し止めを求める仮処分の申し立てについて、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日に却下した。住民は申し立てで、原発における地震動の想定手法には根本的な誤りがあるなどと主張。その上で、原発の運転によって人格権が侵害されるとして九電と争ってきた。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■住民側弁護士「未熟な決定内容」
原子力規制委員会は昨年9月、新規制基準に基づく川内原発の審査書を決定。九電は同1号機について、今夏の再稼働をめざしている。
住民側弁護団は11時、鹿児島市内で会見。「脱原発弁護団全国連絡会」共同代表の河合弘之弁護士は「九電側の主張ばかりが認められた。過去の判決を踏まえない未熟な決定内容だ」と批判した。
また河合氏は「福井地裁決定と比較して穴だらけ、事実誤認だらけ」とも述べ、関西電力高浜原発3・4号機の運転差し止めを認める14日の福井地裁の仮処分決定で指摘された新規制基準の欠点を無視しているとの見方を示した。住民側弁護団は声明書で、決定に対して即時抗告することを表明した。