[書評:CSR経営パーフェクトガイド] 日本企業が目指すべき「本来のCSR経営」とは

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CSRの基礎知識から実践まで学べる。ウィズワークスから1800円(税別)

CSRの基礎知識から実践まで学べる。ウィズワークスから1800円(税別)

『CSR経営パーフェクトガイド』(ウィズワークス)は、CSR(企業の社会的責任)の基礎的な知識から実践方法までを網羅した一冊だ。著者であるニッセイ基礎研究所の川村雅彦主席研究員は、日本企業が「本来のCSR経営」を実現するためには、「企業基点」から「社会基点」に立ったアプローチが必要だとし、「社会的課題への理解なくして、『本来のCSR』もCSV(共有価値の創造)も成しえない」と主張する。(オルタナ副編集長=吉田広子)

■「CSVへの脱却」は間違い?
「本来のCSR」とは何か。川村主席研究員は、2010年に発行されたISO26000の定義を用いて、次のように説明している。

人権尊重を根底に置く持続可能な社会の実現に向けた、「企業の意思決定と事業活動が社会と環境に及ぼす影響に対する企業の責任」

米ハーバード大学のポーター教授が2011年に「CSV:Creating Shared Value」を提唱したことで、日本でも「CSRからCSVへ」という機運が高まった。CSVは、「共有価値の創造」と訳され、本業を通じて社会的課題を解決することで、経済的価値と社会的価値を同時に創造する――という考え方である。

だが、川村主席研究員は、「CSVはCSRに取って代わるものではなく、両輪関係にある」と言う。

日本企業の多くは、「『社会』の持続可能性」と「『企業』の持続可能性」、「企業の社会的『責任』」と「企業の社会的『使命』」を混同しており、本質的なCSRが理解されにくい状況にある――と指摘する。

そこで、川村主席研究員は「第一CSR」(基礎)と「第二CSR」(CSVに相当)を定義し、本来のCSRはどうあるべきか、本書のなかで紐解いていく。

■社会的課題を理解し、マテリアリティを特定する

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2015年5月8日(金)14:27

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