■民主主義は「奪い取るもの」との教訓
このほか、前泊氏は「沖縄では民主主義は(米国民政府から)与えられるものではなく、奪い取るものだった、という戦後史の学びがある。『奪い取る民主主義』をそろそろ始めないと、(日本の民主主義は)奪われ続けると思う」などとも述べた。
前泊氏は日米地位協定を「(在日米軍に)日本の施政権が及ばないことを目的に結ばれた」と指摘する。例えば日本で米軍機は航空法の縛りを受けずに低空飛行できる。一方、日本と同じく第二次大戦の敗戦国であるドイツとイタリアは、米軍機による低空飛行に対して一定の制限を設けている。
「宮森・630を伝える会」の牛島貞満氏は「米軍の人命軽視と情報隠蔽体質は、(1959年の)宮森小学校米軍機墜落事故当時と現在とで変わっていない」と話した。『追跡・沖縄の枯れ葉剤』著者でジャーナリストのジョン・ミッチェル氏は「冷戦期に米国が沖縄に付けたあだ名は『太平洋のゴミだめ』だった」と述べた上で「化学兵器による被害について真実を知る権利が、沖縄の人にはある」と訴えた。
参加者で都内の大学に通う男性(22才)は「日本に民主主義があるのかを、もう一度考え直すべきではないか。私たちが社会を作っているという実感が薄い」と話した。
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