企業力向上と地域力向上のコラボレーション【ダイバーシティとジェンダー】

大西祥世
グローバル・コンパクト研究センター研究員
このエントリーをはてなブックマークに追加

■海外ではビジネスと地域力が直結
日本の大企業でも、海外の法人では、こうしたステークホルダーを巻き込んだ取り組みを展開しています。

たとえば、リコーは、インドでBOPビジネスを始める際に、市場調査を行い、2012年度末までに女性のエンパワーと雇用創出を目指す女性のための女性による「ウーマンショップ」を10店舗オープンさせる計画を立てました。起業支援と同時に、彼女たちのビジネスを発展させるための商品・サービスの提供が企業のビジネスそのものの発展になるように進めています。

ユニ・チャームは、アジアにおけるビジネス拡大に向けて、女性が男性と同じ場所で働くことができないイスラム圏で、女性の社員が男性と直接顔を合わせなくても仕事ができる製造ラインをもつ工場を稼働させました。

地域の女性は、現金収入を得ることにより、経済的地位が向上しました。企業にとっては質の高い労働者を確保して、良い製品を安定的に確保することができるようになりました。

このように、ビジネスの力で女性の経済活動参加を促進することは、地域全体における女性のエンパワメントとインクルージョンをもたらすのに効果的です。

ここまで、WEPsの原則1から原則6に沿って、さまざまな好事例を紹介してきました。それができるのも、各企業が自社の取り組みをきちんと報告・公表し、ステークホルダーと共有できるようにしているからです。次回は、WEPsの原則7「透明性、測定、報告」について紹介します。

【WEPsの原則6】コミュニティにおけるリーダーシップと参画
a. ジェンダー平等と女性のエンパワメントに取り組む模範となる企業となって、リードしましょう。
b. 単体またはパートナーシップによって、ジェンダー平等を推進し、インクルージョンを促進するためにビジネス・パートナー、サプライヤー、コミュニティのリーダーとの協働をてこ入れしましょう。
c. 差別を撤廃し、女性と女児に機会を開くため、コミュニティのステークホルダー、当局、その他の機関と協働しましょう。
d. コミュニティ内で、またコミュニティに貢献して、女性のリーダーシップを促進し、評価しましょう。また、コミュニティにおける対話では、実質的な女性の代表を保障しましょう。
e. インクルージョン、平等、人権への企業の関与を支援するフィランソロピーと助成金のプログラムを利用しましょう。

(この記事は、株式会社オルタナが2013年7月5日に発行した「CSRmonthly 第10号」から転載しました。)

ページ: 1 2

大西祥世
グローバル・コンパクト研究センター研究員
博士(法学)専門は憲法、ジェンダーと法・政策。主著に『女性と憲法の構造』(信山社、2006 年)『ポジティブ・アクションによる女性のエンパワメントと平等推進―国連グローバル・コンパクトの新たなチャレンジ』(法學志林109 巻1 号、2011 年)『グローバル化における企業の公法上の位置づけ』(公法研究74 号、2012 年)など。

2015年7月28日(火)15:34

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑