震災復興から地方創生へ、企業の役割は[CSR48・来栖 香]

これらを実現させている企業の特徴として、「経営者の強いコミットメント」がある。本業を通じた東北復興への取り組みは、成果が出るまでに長い月日がかかる。通常の企業戦略の時間軸では、経営陣に理解されにくいであろう。また、成果が見えづらい事業に、エース級の社員を送りこむことも企業にとってはリスクだと捉えられる。こうした問題をクリアさせるのは、経営者の社会への使命感である。

ヤフーの川邊副社長は「震災後のような一番混沌としている場で課題を発見し、プロデュースするというのはとても難しいスキル。若い人材にとっては、そうした場でこそ経験の短縮ができ、早い成長が期待できる」と指摘した。

三菱商事復興支援財団の中川さんも「震災での自社の取り組みを見て、社員は『うちの会社は有事には本当にやる会社なんだ。自分もそこに携われるんだ』という実感をもった。会社の理念を本当の意味で自覚し、誇りに思うようになった」と語る。

■復興支援が人材を育てる

「CSR48」は、企業のCSR担当者を中心に「CSRに関心のある女子たち」が集まったグループ。「CSRをもっと身近に」をミッションに、勉強会やイベントを実施する。⽬指すのはサステナブルな社会と、女性のエンパワーメントによって、利害や⽴場を超えて、より良い社会に向けたアクションをおこすこと。メンバーの所属は、商社、メーカー、ゼネコン、NPO法人などさまざま。 雑誌オルタナの連載の他、イベント登壇や4月はじまりのSDGsカレンダー発売など多彩に活動を広げる。オフィシャルブログ 執筆記事一覧

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