デジタルハリウッド大、出前授業で岩手を元気に

プロジェクトは、「未来を咲かせる」という名前のとおり、未来を描いていくプロジェクトだ。それは、デジタルハリウッド大学が掲げる「自分の未来を自分でデザインしよう」というポリシーにも通じる。たとえば「未来の綾里地区を絵で表そう」というテーマで、漁師になりたいという子が「お父さんの遺志を引き継いで、魚を獲ることで地域に貢献したい」と、絵とともに発表もする。年に1回のこの寄付授業が、子どもたちが未来を考え、皆の前で宣言するというきっかけの場にもなっていたようだ。

■12月に行われた最後の寄付授業

毎年寄付授業を行ってきたクラスが2015年度で6年生となるのに伴い、デジタルハリウッド大学も、今年度の寄付授業をもってプロジェクトを一区切りすることを決めた2015年12月21日、最後の寄付授業の日。プロジェクト名にある「咲かせる」にちなみ大きな花の絵を描いた立体パネルを、子どもたちとボランティアが一緒になって作成した。

木製パネルに紙粘土などを使用し、自由な造型を楽しみながら、みんなで1つのものを造る。造られたパネルは寄贈され、今後も学校に飾られる。また、今回はデジタルハリウッド大学の卒業生がイベント模様を映像で記録したものを編集し、提供もおこなわれた。
 
この5年の間には、学生ボランティアなど毎年入れ替わるメンバーも多かったが、リピートして通ったメンバーも多く、毎年の変化を見てきたメンバーからは、「個性がだんだん出てきて、それが毎年楽しみだった」「昨年と比べて圧倒的に作るのが上手になっていて驚いた」などの感想が聞かれた。

最後の寄付授業で、立体造型にチャレンジする生徒たちと南雲教授

最後の寄付授業で、立体造型にチャレンジする生徒たちと南雲教授

プロジェクト開始当初から関わり続けてきたデジタルハリウッド広報室の根鈴啓一さんは、「(復興支援では)ものを贈るだけということもできるが、私たちはコミュニケーションをベースとする教育に携わっている。自分の好きなように伝えるのもいいが、どうやったら伝わるかを考えて描き、自らの手で創ってみることについて、寄付授業を受けた生徒たちにとっても学びがあったのではないか」とプロジェクトの意義を語る。

■ご縁のある地域とともに、地域を元気に

綾里小学校との寄付授業でのつながりは一旦終わるが、それぞれ関わった人々の個人的な想いは残り続ける。デジタルハリウッドとしても、今回のような継続した取り組みは初めての試みだったが、今後も地域に対しては積極的に取り組んで行きたいという。震災をきっかけに始まった、企業と地域との顔の見える関係づくりが、東北だけでなく他の地域にも本業を通じて波及している。

たとえば今、全国各地16拠点で展開しているのは、社会人の方が勉強できる「デジタルハリウッドSTUDIO」だ。動画編集やウェブサイト制作など、デジタルハリウッドの中でも指導に定評のある講師の授業を映像化し、地方在住の方々にデジタル表現の学びの場を提供するというものだ。

その狙いは、地域に暮らす人々の成長を支援し、地域特有の課題を、地域に住む人々が考え、解決できるようになることで、地域の活性化を図っていくというもの。2015年末には佐賀でも地元企業と連携した学びの場がスタートしたが、今後も東北を含め、ご縁がある地域では順次展開していきたいと考えている。

◆いわて三陸復興のかけ橋「復興トピックス」
http://iwate-fukkou.net/topics/

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一般社団法人 RCF
2011年4月、震災復興のための調査を行う団体として発足。現在は復興事業の立案・関係者間の調整を担う「復興コーディネーター」集団として活動。代表理事は藤沢烈。活動例として、2015年度はいわて未来づくり機構を母体とする「いわて三陸 復興のかけ橋プロジェクト」を岩手県より受託し、岩手県内各地と県外企業・団体の復興支援マッチングを推進している。

2016年3月24日(木)18:43

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