事業所の閉鎖に伴う障がいのある人の大量解雇問題

橋本 一豊
特定非営利活動法人WEL’S
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A型事業所は、企業の参入が相次ぎ6年間で3.5倍に急増したが、公的な補助金を目当てに開業し、利用者に適切な仕事を与えないというような悪質な事業所も増えているとみられる。

もちろん、ソーシャルワークの理念に基づき、熱心に取り組む事業所も多くあり、障がい者の自立に向け地域の各機関と連携しながら就労に向けた支援を行っているが、規制緩和により様々な企業が参入できるようなったことで、就労支援のノウハウのない企業が参入してきたことがこのような事態を招いたと言わざるを得ない。

また、事業立ち上げのコンサルティングやフランチャイズなどのビジネスの手法から関心を高め、事業を準備している起業家も多く、実際に、当方のところにもここ数年立ち上げの相談があり、資金繰りや運用についての質問を受けることも増えてきている。

しかし、運営体制や支援方針などの確認をしていくと、ソーシャルワークとはかけ離れた内容であることも多く、認可を受けるための書類の整備や試算表だけでは見えてこない、支援の中身の話において難しさを実感する起業家も多かった。

事実、問題となっている事業所は、ノウハウ不足や中身のない支援サービスであることが共通点として挙げられる。本来、就労支援事業所はソーシャルワークの支援プロセスに沿って、段階的な援助が進められる。しかし、こうした問題のある事業所は、利用者が通所し、援助が行われないままに日々事業所内で過ごすだけという実情もあるのである。

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橋本 一豊
特定非営利活動法人WEL’S
大学卒業後、飲食業、児童養護施設での勤務を経て北欧に渡り、重度障がいのある人のアパートにホームステイを経験。そこで福祉施設での業務に関わったことが、障がいのある人の就労支援という業界に入るきっかけとなる。帰国後は東京都七生福祉園(障害者入所施設)に入職。その後、東京障害者職業センターのジョブコーチ業務を経て2005年4月より現職。 障がいのある人の就労支援の実践業務を行いつつ、障がい者雇用を行う企業に対しての立ち上げ支援、採用スケジュールの確認・調整、関連機関との連絡調整、職務構築、参考企業への見学・案内 、各種制度の情報提供など全般の相談を手がける。

2017年11月29日(水)23:10

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