高齢化社会の進展とともに情報サポートとしてテレビの字幕ニーズは高まっています。高齢者をはじめ、聴力に不安のある方々を含めると全国には約3割(約3,000万人)の聴覚障がい者がいると想定されるからです。今回は、10月から全国に拡大される「字幕付きCM」を例に、CMがCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)創出の機会となりうることを考えてみたいと思います。(NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長=伊藤芳浩)

CMに「字幕あり」で関心度1.5倍アップ

皆さんはテレビを見るとき、番組中に流れるCMを意識して見ることはありますか? 特に何の気にも留めずそのまま流れで見ている、という人も多いかもしれません。一方、聴力に不安のある人たちも含めた聴覚障がい者の中には、CMの内容が分からないなどの理由で「見飛ばしている」人達がいることをご存じでしょうか。

2013年の総務省の調査によると、聴覚障がい者のうち、CMを「よく見ている」または「多少見ている」人は69%にとどまりました。また、聴覚障がい者の約3割がCMを「視聴しない」と回答しており、その理由として「字幕が付いていない」が約半数を占めていました。

一方で認知度はまだ高くありませんが、「字幕付きCM」というものがあります。総務省の調査では、聴覚障がい者に「字幕付きCM」を視聴してもらったところ、「字幕なしCM」を視聴したときと比べて、商品への理解度や企業の印象などの点で次のような高い評価スコアが見られました。(出典は※参照)

・字幕付きCMを見て商品に関心・興味を持った (1.56倍)
・商品の購入意向に繋がった (1.64倍)
・字幕付きCMの提供企業イメージがよくなった (1.62倍)

※総務省資料 / 平成28年度 「CM番組への字幕付与に係る評価、効果等に関する調査研究」報告書より抜粋

10月から地上・BSで全国に拡大

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