不動産信託を活用し、新たな人道支援寄付スキーム

国際協力NGOのジャパン・プラットフォーム(=JPF、有馬利男・大西健丞共同代表) と、不動産信託業のスターツ信託(東京・中央、渡邊貞夫社長)は4月26日、不動産信託の手法を使った新たな人道支援への寄付の仕組みを共同で始めると発表した。(オルタナ総研スペシャリスト・室井孝之)

このスキームは、高齢者の資産の「遺贈」による社会貢献への関心の高まりに対応し、家賃収入といった収益不動産を、自然災害被災者支援・難民支援に寄付するもの。
遺贈の方法が分からないが、家賃収入を生前から継続して寄付したい個人篤志家、社会貢献に熱心な不動産信託会社、そして頻発・巨大化する人道危機に対応する緊急人道支援組織の三者にとってメリットがあるという。

この取り組みの背景は次の3点だ。
1.高齢者の56.1%がNPO活動に関心を持ち、寄付者率も高齢者の方が高い傾向を示すなど、高齢者の社会への意識は高い
2.日本では個人が約1,000兆円分を保有しているとされる不動産は、税制上の課題から土地・建物の寄付が難しい。その結果、寄付の約90%が金銭である。
3.日本ファンドレイジング協会『寄付白書2017』の調査によると、寄付者の18.5%が緊急災害支援に、9.2%が国際協力・交流に寄付しており、それぞれ1位、2位と関心は高いが、国連によると、人道危機に対し、必要とされる資金の52%しかカバーされていない。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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