アナン元国連事務総長が世界に遺した二つの贈り物

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コフィ・アナン元国連事務総長が8月18日、死去した。80歳だった。1997~2006年まで国連事務総長を務め、2001年には国連とともにノーベル平和賞を受賞した。そのアナン氏が世界に遺した大きな贈りものが二つある。(オルタナ編集長・森 摂)

一つ目は「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」で、もう一つはMDGs(ミレニアル開発目標)。いま話題のSDGs(持続可能な開発目標)の前身だ。

UNGCは、アナン氏が1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で提唱したイニシアティブ(発議)だ。コンパクトとはこの場合、「協定」「約束」という意味合いだ。

アナン氏は、ダボス会議で世界の経営者たちにこう呼びかけた。

「今年、私は皆さんとの協力関係をさらに高いレベルに持って行くことを提案したい。ここダボスにお集まりのビジネスリーダーの皆さんと私たち国連で、共通の価値観と原則を持って、グローバル・マーケットを『人の顔が見える』ものにしていこうではありませんか」

「平和の維持や発展途上国への援助など、国連の日々の活動は、世界中でビジネスの機会を広げるのに役立っています。そして極めて率直に言うと、皆さん(世界の経営者)が持つノウハウや資源なしでは国連の行動目標の多くは実現が困難なのです」(一部筆者意訳)

90年代後半当時、世界ではグローバル経済が加速するとともに、途上国での貧困や貧富格差の拡大、児童労働などの社会的課題が顕在化していた。アナン氏は、これを国連の力だけでは解決できないと考え、世界からグローバル企業の経営者が集まるダボス会議に乗り込み、国連と企業の連携を呼び掛けたのだ。

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2018年8月23日(木)1:37

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