環境省、SDGs「アウトサイドイン」の担い手公募

環境省は10月18日、環境・社会課題の解決を起点にしてビジネスを創出する「アウトサイドイン」の考えに基づき、20~30歳代の若手起業家を支援するプロジェクト「ウィルラボ」を発表した。ウィルラボでは、公募した若手起業家に対して、企業関係者のメンター(先生役)が、ビジネス戦略の構築や組織運営などをアドバイスする。10月31日正午まで、若手起業家を公募している。(オルタナS編集長=池田 真隆)

ウィルラボの公式サイトトップ画

「アウトサイドイン」とは、国連SDGs(持続可能な開発目標)のビジネス指南書「SDGコンパス」で規定されている言葉で、日本の企業関係者の間でも注目が集まっている。ウィルラボの「ウィル」は、環境・社会課題を解決したいと志す人と、それを応援したい人の「意思」を表している。

ウィルラボでは、公募する若手起業家を「ウィルプレナー」と名付け、アドバイスするメンター陣を「ウィルメンター」と名付けた。選ばれた若手起業家を環境省公認のウィルプレナーとして、来年3月まで全面的に支援していく。

メンタリングを通してウィルプレナーのビジネスモデルを成長させていく

環境省がこのプロジェクトを行う背景には、ビジネスで環境課題を解決する機運をつくりたいという考えがある。貧困や過疎化などの社会課題に比べて、地球温暖化や森林の保全などの環境課題に対して、ビジネスで取り組んでいる事業者は多くない。

そこで、今回公募するウィルプレナーは、環境省が第五次環境基本計画で定めた6つの重点戦略(持続可能な生産と消費、国土の価値向上、地域資源を活用した地域づくり、健康で心豊かな暮らしの実現、持続可能性を支える技術開発、国際貢献と戦略的パートナーシップ)の領域内で起業している、もしくは起業準備中のミレニアル・Z世代(1980年以降生まれ)を対象とした。

環境課題の解決に挑むウィルプレナーを、すでに社会課題の解決につながる事業に取り組む企業経営者らで支援する。ウィルメンターは、経営者だけではなく、資金調達やマーケティング、IT、人事などに特化したスペシャリストも想定している。さらに、ウィルラボの趣旨に賛同した企業も「ウィルサポーター」としてウィルプレナーを応援していく。

ウィルプレナーの公募は10月31日正午まで。選考委員の審査によって、最低4人選出する。審査結果の発表は11月上旬を予定している。

「ウィルラボ」プログラム
「ウィルプレナー」の公募(10月31日正午締め切り)
事務局が、「ウィルラボ」に「ウィルプレナー」として参加したい若手起業家を公募します(自薦・他薦可)。ウィルメンターも同様に公募します。申込期限:10月31日(水)正午
キックオフ・ミーティング(11月15日(木)17:00~20:00@渋谷)
ウィルプレナー、ウィルメンター、ウィルサポーターらが集まり、ウィルプレナーにビジネスプランについてプレゼンテーションしてもらいます。その後、ワークショップを行い、ウィルプレナーのビジネスプランの強みや課題を分析します。
ウィルファンディング(12月13日(木)17:00~20:00@渋谷)
「ウィルファンディング」とは、環境・社会課題を解決したいという「意思」を集めることです。ウィルメンターやウィルサポーターは支援したいウィルプレナーに投票します。
メンタリング期間(12月中旬~2019年2月)
打ち合わせの日程調整などは事務局(ウィルマネージャー)が調整します。
クロージングセッション(3月13日(水)17:00~20:00@渋谷)

■主催・運営
環境省大臣官房 総合環境政策統括官グループ 民間活動支援室
事務局:株式会社オルタナ
公式サイト:https://willlab.jp/

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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