国際人権条約は道半ば

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企業活動による人権侵害を受けている人々への国際的な対応として、2014年から国連で国際人権条約の制定を進める議論がなされてきた。その条約案がようやく2018年7月、国連人権高等弁務官へ提出された。(下田屋毅)

近年、企業にかかわる人権・労働の問題が様々な場面で取り上げられ、国際的には、特に多国籍企業の活動により人権侵害を受けている人々の事例が報道されている。現時点で、企業が人権を尊重するために中心的な役割を果たしているのは、2011年6月に国連から発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」だ。

しかし、本指導原則は自発的に取り組みを進めるというもので、それ自体に強制力はない。

そこで、特に多国籍企業の人権侵害を問題視しているエクアドル、南アフリカが中心となり、2014年に条約の制定を審議する国連決議26/9がなされ、人権尊重に関する取り組みについて企業に法的強制力により実施させる動きが起きた。

国連人権理事会は、この国連決議26/9により、国際人権条約案を起草する政府間作業部会を設置し、2014年から現在に至るまで3回の作業部会を開催、条約案の範囲、形式、内容などについて議論をしてきた。そして議長国であるエクアドルの政府代表部が、これまでの議論と2018年に開催された非公式会合の内容を踏まえ「ゼロ・ドラフト」条約案を作成した。

この条約案「ゼロ・ドラフト」だが、その対象を多国籍的性格を有する企業としており、すべての企業を対象とはしていない。

 

※この続きは、オルタナ54号(全国書店で発売中)掲載の「欧州CSR最前線」でご覧ください。

 

しもたや・たけし 欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人アスク代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。ビジネス・ブレークスルー大学講師(担当CSR/サステナビリティ)。

2018年10月18日(木)21:14

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