フードロス:リデュースが不十分(井出留美)

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都内の家庭ごみの収集現場から見つかった賞味期限・消費期限前の食品(筆者撮影)

世界の環境配慮のキーワードは3R(スリーアール)。食品(フード)ロス削減に言及する食品リサイクル法でも、3Rの最優先のリデュース(廃棄物の発生抑制)を中心に基本方針を決めている。しかし、メディアも世間も、リユース(再利用)やリサイクル(再生利用)に過剰に傾きがちだ。 (office 3.11 代表取締役/食品ロス問題専門家=井出 留美)

世界では食糧生産量の3分の1に当たる13億㌧が毎年捨てられている。日本では都民が1年間に食べる量に匹敵する646万㌧が食品ロスだ(農林水産省「食品廃棄物等の利用状況等」2015年度)。生産調整される農産物や、年々増える自然災害に対する備蓄の廃棄は、この数字にカウントされていない。

環境配慮のキーワード、3R(スリーアール)は食品リサイクル法でも考慮されている。3Rの最優先はリデュースだ。まずはロス(無駄)を出さない、作り過ぎない、売り過ぎない、買い過ぎない。その努力をしても減らない場合、2番目のリユースに取り組む。これに当たるのがフードバンクや、家庭の余剰食品を集め必要なところへ活用するフードドライブだ。外食の食べ残しなど、再利用できない場合は3番目のリサイクルに回される。

フードバンクは、食品ロスや貧困問題を無関心層に意識させ、行動変容へとつなげる活動だ。日本では北海道から沖縄まで77のフードバンクが活動している(2017年3月、流通経済研究所報告書)。全国の合計取扱量は3808㌧(2015年度)。日本の食品ロス646万㌧のうち、事業系由来のロス357万㌧のみを活用可能としても、全体の0.1%。再利用できる量に対し、食品ロス発生量が多過ぎる状況だ。再利用の前に減らす努力を推し進めなければならない。

■この続きは雑誌オルタナ55号「SDGsウォッシュ 回避への9行動」に掲載されています

2019年1月10日(木)21:58

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