「ワーケーション」という働き方(原田 勝広)

原田勝広
オルタナ論説委員
このエントリーをはてなブックマークに追加

■論説コラム

都会の喧騒を離れて地方の静かな環境の中で仕事ができたら、と誰でも思う。それが東京からのアクセスがよく、緑一杯の自然があふれる田舎なら言うことはない。というわけで新幹線開通以降、グーンと身近になった長野県の自治体がテレワーク(遠隔勤務)の誘致に乗り出している。定番の軽井沢はあまりにも有名だが、最近、開所したばかりの上水内郡信濃町にあるノマドワークセンターを訪ねた。

新潟県境に近い奥信濃の小さな町で妙高と黒姫をのぞむ、森林に囲まれた抜群の環境で、ノマド、つまり、遊牧民のように自由にIT機器を駆使して好みの場所で仕事をするワークスタイルを確立しようというわけである。在宅勤務やサテライトオフィスのような通勤困難を想定したものではなく、空間的にも社会的にも広がりのある積極的な新しい働き方で、ワーク(働く)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケ―ション」をうたっている。

ノマドワークセンターは、個人用ではなく、法人向け貸し切り型施設で、首都圏のIT企業など最先端情報科学企業が気軽に遠隔勤務できる機能を持っている。例えば1週間の滞在では、ウィークデーの午前中はセンターの40人収容のホールでのワークスペースで仕事をする。3Dプリンターを備えたメイクラボや中型ロボットを整備できるガレージのほか、ロボットテストフィールドを併設しており、自由に活用できる。午後や週末には随時、自然体験アクティビティを折り込みリフレッシュすることができる。宿泊は町内のリゾートペンションが充実しており、家族ともども泊まることも可能だ。

ページ: 1 2 3

原田勝広
オルタナ論説委員
日本経済新聞記者・編集委員として活躍し日本新聞協会賞を受賞。明治学院大学教授に就任後の専門はCSR論、NGO・NPO論、社会起業家論。2018年より現職。著書は『CSR優良企業への挑戦』『ボーダレス化するCSR』など多数。

2019年6月17日(月)8:00

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑