支援団体らが東北被災地ツアー、インフラ構築も課題

東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)が主催する「JCNツアー in 東北 2019『答えは東北にある!』」が、11月28日から29日にかけて宮城県内で開催された。現地団体との対話や現場視察を通じて被災地の現状を知り、震災から8年8カ月後の課題を考える機会である。ツアーでは、震災の記録の保存に取り組むリアス・アーク美術館など活動の現場に訪れ、コミュニティへの支援のあり方やその課題を見つめた。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)

JCNは、東日本大震災における被災者、避難者への支援活動に関わるNPO、NGO、企業、ボランティアグループなど612団体が参加する全国規模の連絡組織である。

代表世話人は、栗田暢之氏(認定NPO法人レスキューストックヤード)、山崎美貴子氏(東京災害ボランティアネットワーク)が務めている。NPO法人では、陸前たがだ八起プロジェクトや故郷まちづくりナイン・タウン、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島などが参加している。

ツアーは、「心の復興」やコミュニティ形成の促進を支援する復興庁被災者支援コーディネート事業として開催された。

三浦隆一JCN宮城地域担当のコーディネートによる視察先は、被災地で一番最初に防災集団移転を実現させた岩沼市玉浦西地区、南三陸町内、気仙沼市リアス・アーク美術館、認定NPO法人底上げが市役所と協働する「気仙沼まち大学」など7カ所だ。

リアス・アーク美術館では、2013年4月3日から、「東日本大震災の記録と津波の災害史」を常設展示している。山内宏泰副館長が、震災直後の3月16日から記録調査活動を始めた写真、がれきが展示されている。それらは、「街の最後の姿」「浸水、遡上の実態」「人間側の問題」の記録である。

気仙沼市リアス・アーク美術館 常設展「東日本大震災の記録と津波の災害史」

山内副館長は、「伝えるべきことを伝えること、想像力の発現を促すことに特化した展示は、美術館では特殊な展示だ」と語った。

さらに「人は、東日本大震災を未曾有、想定外、1000年に一度の震災と言うが、この地域は、明治三陸地震を123年前の明治29年に体験している。津波を当たり前のことと知っている。地域文化として根づいている。津波(と人との関わり)を地域文化として残すことが自分の仕事」と強調した。

山内副館長はこれからの課題として、「今後も異常気象が起きることが予想される。今までの社会インフラでは太刀打ち出来ず、新たなインフラを早急に創出すべきだ」と述べた。

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2019年12月12日(木)21:09

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