ウイルスとエゴ(田口 ランディ)

■オルタナ本誌60号 エゴからエコへから

いったいウイルスとは何者なのだ。生物に必ずあるはずの細胞質が彼らにはない。生物なら絶対に持っているはずのDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)のうち、どちらか片方しか持っていない。

ウイルスは生き物なのか。なにゆえ他の生物の細胞に入って自分のコピーを増殖するのか。私の細胞に違う情報を書き込んで増えたって、宿主が死んだら終わりだろう。いったいあなたたちの目的は何なのだ。

今回知ったのだが、ウイルスにはものすごくたくさんの数と種類がある。ヒトに感染するものに限っても73億通りあるらしい。たぶん生き物のなかでダントツ多い(彼らが生きものだとしたらの話だが)。海なんぞ、ウイルスだらけだ。

ちなみに海のなかの食物連鎖を底辺で支えているプランクトン。そのプランクトンはウイルスに感染することで減ったり増えたりしている。つまり、海中のウイルスは海の食物連鎖に大きな影響を与えており、地球の生態系維持に一役も二役もかっているらしいのだ。さらには生物の遺伝子を持ち出して勝手に配合することもあるとか。

マスクも通過してしまうほど微小の不可思議な存在、それにいま、全世界が翻弄されている。

*この続きは雑誌「オルタナ」60号(第一特集「循環経済(サーキュラーエコノミー)はR(リサイクル)よりもR(リデュース)」、3月30日発売)に掲載しています。

作家 東京生まれ。 近刊は地下鉄サリン事件実行犯で昨年に死刑執行された林泰男との14年間の文通・交流をもとに描いた私小説「逆さに吊るされた男」(河出書房新社)

2020年5月12日(火)14:09

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