ALTキーワード:ビロンギング
最近よく知られるようになったダイバーシティー(多様性)の概念。この概念を改めて確認すると、主に人の属性(性別・人種など)の多様さを意味する。またこれに関連して言われるのがインクルージョン(包摂性)の概念。こちらはいかなる属性も排除されない状況を指す。
ちなみに英語圏ではよく「パーティーに招待されること」が多様性、「ダンスに誘われること」が包摂性と例える。言い換えると多様性はパーティーにおける「事実」を、包摂性は参加者による「行動」を示す。
これに加えて最近急速に広まったのが「ビロンギング」(belonging)と呼ばれる概念だ。直訳では帰属性を意味する。ただこの場合の帰属とは滅私奉公的な意味ではない。個性を殺さず組織に関与できる心地よさをいう。本欄なりに前述の例えを踏襲すると「仮面を付けることなくパーティー社会に参加できる雰囲気」が帰属性といえよう。言い換えると事実・行動に対する感情的な「結果」が帰属性となる。
米国の経営界では、ビロンギングの重視が「人材確保の鍵」になるとの意識も拡大。テック系企業を中心に同語を冠した役職を設ける事例も現れた。